2011年07月29日(金) |
■本からお話紹介…天才たちはいかにして世紀の発明・発見をしたか |
今日も本からの紹介です。 こちらの本になります。
「発想の瞬間」
この本には、194人の天才たちのエピソードが 書かれていて、
「へぇ、そうだったんだ、意外だね、 こんなことから発想がわくのか…」
などと、楽しめます。 今日は、この本の中から、 印象に残った天才たちのエピソードを紹介しますね。
(ここから引用)
■ヨーロッパとアメリカ間の 郵便の不便さに憤慨し、 電信機とモールス信号を考案した 《サミュエル・F・B・モールス》
モールス信号で有名になったアメリカ人 サミュエル・F・B・モールスは、 もともと知られた肖像画家だった。
イギリスで絵画を学んで帰る途中の船の中で、 ボストンのジャクソン博士から、 電気が走る速度が非常に速いという話を 聞いたことから物語は始まる。
モールスは、 ヨーロッパとアメリカ間の郵便の遅さに、 日頃から憤慨していたので、 この話を聞いて、 電気を利用して情報が素早く 送れるのではないかと 思いつきに夢中になってしまった。
モールスは、科学的には素人で、 すでに電流を使った通信の研究がされているのを 知らなかったのだ。
しかし、彼は帰国してから、 電気について猛勉強し、 実験を重ねついに電信機を開発。
ワシントンとボルティモア間に、 最初の電信線を架設し、1844年初めての 通信に成功した。
モールス信号によるその初めての通信文は、 「なんとすばらしいものを 神はつくりたもうたか」 というものだった。
■リンゴをかじりながら、 お風呂の中で ミステリーのトリックを考案する 《アガサ・クリスティ》
アガサ・クリスティといえば、 思いもよらないトリック、意外な結末で、 いまもなお世界中のミステリーファンを 魅了している推理小説の女王として知られている。
彼女は、リンゴをかじりながら、 お風呂にゆったりつかっているの 好きだった。 そして、数々のトリックは 入浴中に考え出したものであると 自ら語っている。
※この本の中では、お風呂やトイレで発想する作家や 科学者も多いことを紹介しています。
■ハエが飛んでいる姿を見て、 座標軸の理論を発見 《ルネ・デカルト》
ベッドでうとうととしていると、 ハエが飛んできて頭上を旋回している。 追い払うとハエは天上の壁にとまった。
彼の位置からは、ハエは天上と壁がつくる ちょうど三角の位置を飛んだり とまったりしているのが見えた。
右の壁にいったかと思うと、今度は左の壁、 下がったかと思ったら天上に止まる。
ハエは自由でいいな、 とぼんやりと考えていたが、 なんとかハエの動きを 正確に測る方法はないだろうか、 と考え始めた。 そして、ハッと思いついた。 空間における点の位置を決める X軸、Y軸、Z軸の発見である。
この「デカルトの座標」は、 数学上の平面や第三次元の移動理論に 後世多大な影響を与えたのである。
■常に五線紙を携帯し、 よいメロディが浮かぶと、 すぐに五線紙に記入 《ルードビィッヒ・フォン・ベートーベン》
いかに偉大な作曲家でも、机に向えば常に 新しい曲が浮かんでくるというわけではない。 かといって、ああでもない、こうでもないと いじくり回してできるものでもない。 ほとんどが待ち。
あるときふと湧き出てくる内面からのメロディを、 心を澄ませて待つのである。
だからこそ、 せっかく浮かんだメロディは、 一つとして逃すわけにはいかない。 そのためベートーベンは、 常に五線紙を持ち歩いた。 うっかりして五線紙を忘れて 外出してしまったときには、 壁でも路上でも書きとめられるなら、 何でもかまわず書きとめたそうだ。
※総合芸術家の、レオナルド・ダ・ヴィンチも、 ありとあらゆるものを書きとめておいた、 メモ魔だったそうです。
■8時間書斎に閉じこもって考え抜き、 目薬をさし、石けんで手を洗って 想念を整理する 《星新一》
自由なイマジネーションの飛翔と緻密な構成力が 要求されるSF小説。 しかし、それを生み出す作家にとっては、 必ずしも身の自由さがプラスになるとは、 かぎらないようである。
日本のSF作家の第一人者である星新一氏は、 新しい作品に取りかかるときには、まず、 8時間くらい書斎に閉じこもることが 欠かせないという。
そうやって自らを拘束しておいて、 思いつきやインスピレーションを メモしたりしながら、ひたすら考え続ける。
ついには、精も根もつきはて、 自分の才能に絶望しかけるのが 常なのだそうだが、 ここで氏は目薬をさす。
そして、石けんで丁寧に手を洗う。 すると不思議、混沌としていた想念が スーッと整理され、何を書くべきか、 おのずと見えてくるという。
(ここまで引用)
この本を読むと、発想する瞬間というのが、 天才によって違っているけれど、 発想の瞬間を待っているのは、同じだと思えました。
「自分の内から湧き出るものを、 待っていて、それを信じている」
そんな感じがしました。 いろんな天才たちのエピソード満載なので楽しめる本です。 エピソードは短めなので、本を読むのが 苦手な方でもすんなり読めますよ。
今週は、本のお話紹介でしたが、 読んでみたいと思った本があったら、 ぜひぜひ読んでみてくださいね。
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