2008年12月24日(水) |
クリスマスのお話 《受けるよりは 与える方が幸いである》 |
クリスマスなので、今日もまた 心に灯がともるようなお話を紹介します。 おすすめの本からの紹介です。
今日、紹介するのは、 「こころのチキンスープ 愛の奇跡の物語」 からです。
《理想の兄》
これは僕の友だち、ポールの話である。 ある年のクリスマスイブのこと、 ポールは兄さんから、 クリスマスに新車をプレゼントしてもらった。
ポールがオフィスから出てくると、 街でよく見かける少年が、 そのピカピカの新車のまわりを歩き回っていた。 よほどその車が気に入ったらしっく、 ポールに話しかけてきた。
「この車、おじさんのかい?」 「ああ、兄貴からの クリスマスプレゼントさ」
と、うなずきながらポールは答えた。 少年はそれを聞いてひどく驚いた様子だった。
「えっ? おじさんの兄さんがくれたって? おじさんは全然お金を払わなくてよかったの? うわわぁ、すごいな!ぼく…」
と、少年は何かを言いかけたが、 そのまま口をつぐんでしまった。 少年は、
「ぼくにも、 こんな兄さんがいたらなあ」
と、言いたかったのだろうと、 ポールは思った。 ところが、少年から出た言葉に ポールは耳を失った。
「ぼくね、 おじさんの兄さんみたいに なりたいなって思ったんだ」
ポールは、まじまじと少年の顔を見つめていたが、 自分でも思いがけない言葉が口をついて出ていた。
「この車に乗ってみるかい?」 「本当?ウン」
車を走らせてまもなく、 少年の目はキラキラと輝き始めた。
「おじさん、 ぼくの家の前まで乗せてくれる?」
ポールは思わずニヤッとした。 きっとこんな大きな車で帰ってくるところを、 近所の人たちに見せて、 自慢したいんだなと思った。
しかし、その憶測も またもやはずれた。
「あそこの階段がついている家が 見えるだろう? そこでちょっと待っててくれる?」
少年は車を降り、駆け足で家に入って入った。 しばらくすると家の中から、 ゆっくりとした足音が聞こえてきた。
少年が身体の不自由な弟を 背負って出てきたのだった。 弟を階段の一番下に座らせ、 車がよく見えるように弟の身体を支えた。
「ほらバディー、見てごらん。 さっき言ったとおり、 すごい車だろ。 そこにいるおじさんの兄さんが クリスマスプレゼントに くれたんだって。
それも、まるっきり タダでくれたんだって。 お前も待ってなよ。 兄ちゃんが、 いつかきっとあんな車を お前に買ってやるからね。 そしたら、いつも話している クリスマスのきれいな飾りを、 その車に乗って見に行こうね」
それを聞いたポールは、 何も言わずに車を降りると、 少年の弟を抱き上げ、 新車の助手席に座らせた。
目をキラキラ輝かせた少年も その横に乗り込むと、 3人はドライブに出かけた。 本当にすばらしい クリスマスのドライブだった。
このクリスマスの日、 ポールは聖書のみことばをしみじみ 感じたのである。
「受けるよりは 与える方が幸いである」
ダン・クラーク
「人のために何かをすることで 誰もが素晴らしい人になれます。 大学を出ていなくても 正しい文法を話せなくても 人のために何かをすることができます。 ただ、やさしい気持ちが あればいいのです。 愛の心があればいいのです」
マーチン・ルーサー・キング・ジュニア
(ここまで引用)
ほのぼのとして、 あたたかい気持ちになれるお話で、 私の好きなお話のひとつです。
やさしい気持ちになったとき、 それを素直に出したり、素直に行動にしたり、 なかなかできないけれど、 できるだけそうしたいな、なんて思いました。
自分があたたかい気持ちになれる話、 前向きに生きていく気持ちになれる話は、 本当にいいですね。 この本はおすすめなので、機会があったら、 ぜひ、読んでみてくださいね。
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