まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2008年11月30日(日) 心に残ったお話…「愛馬の励まし」より

今週は、12月にも突入だし、
季節的にも、どんどん寒くなっていくし、
それに、このところ、寒々しいニュースが多いので、
本から見つけた、心があたたまるようなお話を
紹介したいと思います。



今日のお話は、
鈴木秀子さんの本からの紹介です。
鈴木さんの本は、どの本も、
心があたたまる、心がきゅんとするような
お話がいっぱい書かれています。




今日紹介する本は、短めのお話が35ほど
書かれている小さな本ですが、おすすめの本です。
クリスマスのプレゼントなどにもいいと思います。



「幸せに気づく時間(とき)」
鈴木 秀子著










さて、今日のお話は…
「愛馬の励まし」

(142P〜145P)



北海道のある農家の話です。
それまで馬で田を耕していたのですが、
機械を導入する必要に迫られ、
馬を手放さなくてはならなくなりました。
家族みんなでかわいがってきた馬です。
しかし、経済的に苦しく、
飼い続けることはできないのです。



「こんなによく働いてくれたのになぁ…
 最後まで看取ってやりたかった、
 本当に、ごめんな…」




馬が引き取られるまでの一週間、
家族たちは馬の体をさすっては涙をこぼし、
謝り続けました。

引き取り手が現われ、
馬を引き渡しました。

家族はみんな、立ちすくんで
馬に近づくこともできません。




すると、馬のほうから、
家族に近づいてきて、
空に向けて
大きくいなないたのです。
明るく大きな声でした。





その瞬間、家族たちは
心に太陽の光が差してきたような、
不思議な感覚にとらわれました。

この愛馬は、身をもって、
自分たち家族を助けようとしている……
そう感じたのです。




凛々しい姿は、家族たちが大地を踏みしめ、
困難に負けないよう力強く生きていくようにと
励ましているかのようでした。
父親が言いました。



「この馬はワシたちに、
 勇ましく生きていくようにと
 励ましているんじゃ。
 しっかり生きていくことが、
 この馬の愛にむくいることじゃ。
 頑張ろうやな」





皆、うなずきました。
そのとき、馬の輝く目から
ひとすじの涙がつつと流れました。
そして、馬は去って行きました。





その後、家族の道のりは
平坦ではありませんでした。
それでも、一つ一つの困難を乗り越え、
今の力強く農業に取り組んでいます。

家族たちの心のなかには、いつも、
無償の愛を送ってくれた愛馬がいます。
つらいとき、苦しいとき、
愛馬の励ましを思い出すと、
勇気と生き甲斐が体に湧いてきました。
そして、厳しい北の大地でも
たくましく生きて行こうと
心に誓うのです。


           〈ここまで引用〉




私は、この話を読んで涙がこぼれました。
心にとても残ったお話でした。



「馬さん、
 ありがとう…」




そう思わずにおれませんでした。
何かが、誰かが、
無償の愛を与えてくれ、
励ましてくれる…
こう実感できることがどんなに
力強い生きる力となるか、
そんなことを考えさせられました。






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