2008年02月25日(月) |
一年で生徒達の人生を変えた先生 |
今日は、もう一つ、感動した話を紹介します。 これもまた、とても感動したのです。
この本↓からの紹介です。 「「愛」は伝わっていますか」
この本の著者の鈴木秀子さんは、 私が尊敬してやまない方です。 鈴木さんのお書きになった本はだいたい 読んでいますが、いつも心にしみる いいお話が必ずでてきます。
とてもいい本が多いので、機会があったら、 ぜひ、読んでみてください。 心が澄んできます。
さて、今日のお話は、感動とともに、 考えさせられました。 みなさまは、どう感じるでしょうか。
「一年で生徒達の人生を変えた先生」 (68P〜71Pからの引用、強調はこちらでしました)
スラム街というのは、機能不全の家庭で育った子どもたちや 落ちこぼれ、アルコール依存症、麻薬や犯罪に走る人たちの 巣窟のようなところです。 そんな街では、小学校も学校として成り立たないのですが、 スラム街の小学校の卒業生を追跡調査したアメリカの 教育者がいます。
その報告によると、ある1クラスの20人くらいが、 突出してアメリカで成功していることがわかりました。 知名度が高い医者、弁護士、社長などになっています。
なぜ知名度が高いかというと、「ブルックリンという、 貧しい階級が住んでいるところの出身者が、こんなに 成功している」と脚光を浴びているからです。
調べてみると、 成功している人は、 ある時期の卒業生に 集中していました。
教育者はその卒業生に会い、
「あなたは、犯罪者や崩壊している家庭ばかりの街で 育ちながら、今、健全な社会生活を送っているのは なぜか?いい家庭をつくり、これほど成功している 理由はなんでしょうか」
と、聞きました。
その卒業生たちは、 みんな人間的にとても温かみの ある人たちで、 その全員がひとりの先生の名前を 挙げたのです。
その先生は、ブルックリンから離れた老人ホームに 入っていたので、教育者が、先生に会いに行き、 話を聞きました。
「あなたの教え子の中で、今、この人とこの人と、 この人が成功しています。ジョンもお医者さんとして 成功しています」
「ああ、ジョンねぇ。 あの子は、とっても字を書くのが上手だった。 丁寧に丁寧に字を書く。 やることが丁寧だった」
と、あたかも今、目の前で ジョンが字を書いているように話します。
「私の誕生日のときに、きれいな字で、 自分で丁寧に作った花を添えたカードを 送ってくれたんですよ」
その話はまるで、きのう、 それを送ってもらったような感じです。
「ああ、ジーンねぇ。 ジーンはとっても歌の上手な子。 お母さんが亡くなった子が一週間くらい休んで 学校に出てきたとき、教員室の窓から見ていると、 ジーンがその子の手を引いて運動場の木の下に行き、 「こんな歌をこの間習ったのよ」と言って、 歌ってあげていた。 ジーンが、ひとりで歌いながらスキップし始めたら、 お母さんを亡くした子も一緒にスキップしていた。 ジーンは心の優しい子だったね」
先生は、エピソードを1つひとつ挙げながら、 一人ひとりがどんなにいい子だったか、まるで ここにいるかのように、イキイキと話すのです。
それを聞いたとき、教育者は、あんな環境で育った こどもたちも、その先生に教わること、触れることによって、 生涯、幸せに生き抜く力をもらったのだ、と思いました。
ですが、その先生は、その学校には一年しか いなかったそうです。 でも、その一年の間に、生徒の人生を変えました。
一人ひとりの本当の価値、 良さを認め、 「私は、あなたをあるがままに 受け入れてますよ」 というメッセージを送り 続けたのです。
(引用はここまで)
こんなふうに自分の子ども時代にいいところだけを 見てもらい、そして、その後もこんなふうに 話してもらえたら、どんなに嬉しいことだろうと思う。 きっと自分に誇りを持てるに違いない。 そう感じました。
また、この話を書いたのにはワケがあります。 この話を読む前に、私は、
「教師がくれた人生の贈り物」
という本を読んでいました。 これは、自分に強い影響を与えた先生のことを 生徒側からの目でみて書いてある本です。 この本もとてもいい本なので、おすすめです。
この本の中に、今日の話に出てきた、 すばらしい先生ではないかと 思われる話が出てきていたのです。 (「関心、信頼、気遣い…それが人を救うのです」 というタイトルで29P〜) その本にこう書いてありました。
「ローセン先生は、どの生徒にもきちんと 注意を向けて接してくれた。 何かあれば、いつも私をほめてくれた。(略) 生徒をやる気にさせる、たった一人のひたむきな 教師が、ひとりの若者の人生を変えることが あり得るのだ。(略) 難局にあるとき、その人を救うのは、 心から気遣ってくれるひとりの人間なのである」
そんなこともあり、この今日の話が強く印象に 残ったのでした。もちろん、 今日のお話の先生がローセン先生であるかどうかは わかりませんが、私にはなんとなくそう思えたのです。
その人のいいところを見つけて、 そのいいところを伸ばし、 そのいいところを見続けてあげる… 何があってもそのいいところは 認めてあげる… そんなことが、その人の大きな心の 支えになるのではないかと思ったのでした。 みなさまは、どう感じたでしょうか。
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