まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2008年02月24日(日) 無条件で愛された経験は生きる原動力に…

今日は、最近読んだ本で、
とても感動したお話を紹介します。

感動する実話が多く書かれていて、
読んできて、ぼろぼろと泣けてきました。
今日は、その中の1つのお話です。


この本↓からの紹介です。
「「愛」は伝わっていますか」




とてもいい本でおすすめです。
ぜひ、読んでみてください。



さて、今日のお話です。
私は、この話を読んで
しばらく本をとじて、この情景を
頭に思い描いてました。



「無条件で愛された経験は
 生きる原動力に」

(26P〜30Pからの引用、強調はこちらでしました)


Y少年は、小学校2年の時、交通事故で両親を一度に
失ったため、田舎の祖母の元に引き取られ、
おばあさんとの2人暮らしが始まりました。

すると、さっそく、新しく転校してきた都会風の子である
Y少年へのいじめが始まりました。
意地めっ子のボスは、この地の名士といわれるいわゆる
工務店の社長の一人息子でした。
ものはなんでも買ってもらえました。
父親をまねて人に威張り散らすので、友達は恐れながらも
追従しがちだったのです。


ある日、学校の帰り道で、ボスと取り巻き6人に
待ち伏せされ、Y少年は殴られたり蹴られたりしました。
ちょうど畑仕事から帰っていたおばあさんは、
孫の血みどろの顔を見ると、一瞬、血相を変えましたが、
何も言わずに手当をし、ひとこと言っただけでした。




「明日からも、
 いつも通り学校へ行くんだよ」




翌日の帰り道、昨日と同じところに、
ボスたちが見えました。

逃げようとするY少年の前に立ちはだかったのは、
おばあさんでした。
がっしりとした背で孫をかばいながら、堂々とボスたちに
近づいていきます。おばあさんの気迫に圧倒された
いじめっ子たちは、立ちつくしたままです。



おばあさんは、ボスの肩をがっしりと押さえると、有無を
言わせず、ボスの右頬をつねりあげました。もがくボスを
身動きさせず、腹にしみ通るような力に満ちた大声で、
皆にも聞こえるように、こう言ったのです。


「おめえら、今日は許すから、
 今日限りまともな人間になれ。甘えるな。
 親が忙しくて心をくれなくなくても、ひとりの
 人間ととしてちゃんと自分の足で立つんだ。
 おめえらの年なら、そう生きようと決めれば、
 できる。甘えるな。
 ちゃんと覚悟ができるまで、
 この手を放さねえからな」



ボスはだんだんうなだれ、周りの取り巻きの子どもたちは、
金縛りにあったように硬直しています。
しばらくの後、やっとおばあさんのつねりあげから
解放されたボスは、小さな声で、Y少年に向かって、
「ごめん」と言いました。
すると、周りの子どもたちも口々に
「ごめんね」と頭を下げました。


「それでよし。おめえらが立派な大人になるまで、
 ばあちゃんは、死んでも目を離さねえからな」



そして、Y少年を引き寄せると、
抱きかかえるようにして、再び気迫にあふれた声で、
遠く野山まで届きそうに言ったのです。



「この子は、うちの大事な子だ。
 ばあちゃんはこの子のために、
 いつでも命を投げ出す。
 そんな大切な子だ。
 この子には、真面目に生き抜いてきた
 先祖代々の命が受け継がれている。
 この子は、この世の宝だ。
 この子は、生きているだけで尊い子だ。
 この子の両親は、
 目に見えなくてもこの子といつも
 一緒にいて守ってくれるんだ。
 この子はこの世の宝だ」




そう言い終わると大きく息を吐き、
子ども達の前に一歩進み、活を入れるように、
一人ひとりの子どもの胸に奥深くに、
ずしりと収まる声で宣言したのでした。



「おめえら、
 一人ひとりも『宝』だ」




このとき以来、学校からいじめは消えました。

Y少年は、祖母亡き後、施設で成長しました。
明るい親切な人となりで、今は誠実な会社員として
人々の信望を集めています。
そして、彼はあのときの祖母の姿と言葉が、
いつも自分を導いていると感じているのです。


「祖母は、自分がどんな子であっても、
 宝のように大事にしてくれました。
 あの祖母の気持ちに背くことはできません」



無条件で受け入れてもらう体験をした人は、
どんな苦境にもめげない力をも与えられるのです。
その力は、生涯を通じてその人の生きる原動力になります。
                    (引用終り)



「無条件で受けいれること」…
現実にはなかなかできることではありません。
とてもむずかしいことです。
そして、誰かのために命をかけること…
これはもっと出来ることではありません。

だからこそ…だからこそ、
そうしてもらった大きな愛は、心に響き、
その人の心の支えになるのだと思います。

何かあったとき、自分をかけて愛する人たちを守り、
力を与えられるような人間でいたい、と、
この本を読んで強く思いました。





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