2007年10月18日(木) |
謎の石の正体より、石屋さんの実情がわかる |
さて、昨日からの続きになります。
今度は、「墓石屋さん」に 聞き込みしてみることにした。
私が、店に着いたとき、 ちょうど墓石屋のご主人が立っていて、 これはラッキーと思って、いさんで聞き込み開始した。 ここのご主人はとっても優しい方で、
「ちょっと教えて頂きたいのですが…」
「ああ、いいですよ、どうぞ、こちらに お入りください。わかれば答えますよ」
などと言って、応接室に通してくれた。 聞くだけだったので、悪いなと思ったけど、 遠慮なく応接室に入り、おもむろに まず、昨日「天水鉢」と言われた、 写真を見せた。
「これなんですけど…なんでしょう?」
すると、 ご主人は即座にこう言った。
「これは、石臼だね…」
ひぇ〜、 ここのご主人は、 石臼ではないかと 言うのだ。
「もし、これのどこかに取っ手がついていたら、 間違いなく石臼なんだけど、取っ手あった? 取っ手は、餅をついて取り出すときに 臼を斜めにして取り出すためのものなんだよ」
「いいえ、なかったように思います」
「ふーむ、そうすると天水鉢かなぁ。 場所をみても石臼ではないか… ここに石臼があるのも変か(笑)」
ということで、石臼でなければ、 天水鉢だということになった。 そこで、天水鉢について聞いてみた。
「うーん、天水鉢ってのは雨水を貯めるもので、 神社などでは、雨どいをつたって落ちてくる雨水を 貯めるため、雨水が落ちてくる場所に置いてあるね。 でも、全部に置いてあるわけじゃないし…」
「なんで雨水を貯めるんでしょう? だって、放っておいたら虫もわくし、 手入れだって大変なのに…」
「勉強不足で悪いけど、よくわからないなぁ。 これは、お寺とか神社に聞いてみて。 ボウフラは確かにわくんだよね。 でも…何か意味があるんだろうね。 いろんな形の天水鉢があるしね。」
と、教えてくれた。 天水鉢も、全体の形を整えるものもあれば、 自然の石に水受けを掘るものもあるそうだ。
そこで、今度は、マンション前にある、 置物の写真を見せた。(昨日の写真参考) すると、ご主人は、まじまじと見て、
「これも、水鉢の一種なようだけど、 マンションの入り口にあるのは、 始めてみたなぁ。 庭に置いたりすることはあるんだよ、 やっぱり水を貯めるために。 でも、この場所じゃ…なぁ。 このマンションの人、石屋さんかなぁ…」
などと言い、やっぱりこの置物についての、 確証は得られなかった。 その後で、ご主人はこんな話しをしてくれた。
「今はね、いろんな注文があるし、 よく石屋でもわからないんだよ。 使い道になると、よくわからないんだな。 いろんな注文があるからね、墓石なんかも。 もっと勉強しなくちゃいけないけどね… 勉強まで、時間がないんだな」
などとしみじみと言っていた。 ということで、結局、 すっきりと答えを得ることができなかったが、 ご主人にていねいにお礼を言い、応接室を出た。 ご主人はとてもいい方だった。
しかし、今回の聞き込みで、 今どきは、専門の石屋さんでも、 何に使うんだろう、などという注文もあるらしく、 石の置物も「個性化」しているということが わかった。
「なるほど…ね、 石屋さんも 大変なんだね」
などと、謎の石の正体を知ろうとして、 石屋さんの大変さを知ることになったのだった。
家に帰ってきて、 「天水鉢」について、調べてみたが、 どうやら、「お清め」の意味合いがある、 ということだけはわかったが、 それ以外のことははっきりわからなかった。
今度は、お寺や神社に聞いてみようと ひそかに思っているところです。 また、何かわかったらご報告します。 ということで、謎の石についての 聞き込みのお話でした。
もし、みなさまの中に、天水鉢は、この石たちに ついて何か知っていることがあれば、ぜひ 教えてくださいね。
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