2007年09月20日(木) |
オーラが見える娘の話 |
いぜん、友人の娘のことについて何回か書いた。 (娘の話は→「娘の受験」) 希望の大学ではなかったものの今年の4月に大学に入学し、 今は、わが家からは1時間ほどの距離の大学の寮に 入って元気にやっている。 そして、時々遊びにくる。
先日も、突然に
「明日、午後から遊びに行ってもいい?」
とメールがあり、私は大歓迎だったので、 すぐにOKの返事をした。 かなり突然だったので、
「これは、ちょっと寂しくなったかな? 夏休みが終わって東京に 戻ってきたばかりだからね」
なんて思っていた。 次の日、娘がやってきたので、 さりげなく何かあったか聞いてみると、
なんと…
「あのね、今日ね、 寮で午後から害虫駆除するので、 午後8時まで寮に入れないの」
ということだった。 まっ、 このくらいがいいね。
さて、実はこの娘… 小さいときから特殊能力があるのだ。 本人は、言いたがらないのだが、 友人がよくこう言っていた。
「この子ね… 他の人のオーラが見えるのよ… 時々、あっ、って言うから、なんだと 思うと、あの人○色のオーラが見える、 なんて言うのよ」
そして、小学生の頃、 あまりに頻繁に見える時期があったので、 友人が気にして、東京のとある研究所で 調べてもらったこともあるのだ。 そして、やっぱり 「何かを見てはいるらしい」と いう結果になったのだった。
私はいつか、このことについて、 娘に聞いてみたいと思っていたが、 娘が隠したがるので、なかなか聞けずにいた。
私なんかにしたら、羨ましい能力である。 隠すべきものというより、生かすものと 思っているが、娘にとってはやっかいで あまり気分のいいものではないらしかった。
ところが、 この害虫駆除の日。
近所のおいしいケーキ屋さんにケーキを買いに、 ぶらぶらと娘と歩いていると、 娘が突然、
「あっ……」
と、声を発したのだ。 小さな声だったが、 私は瞬間的に娘を見て、 思わず興味津々に
「見えたの?」
と聞いた。 すると、娘は小さく頷いた。 私は、かなり興味を持ち野次馬根性で、
「ねぇ、ねぇ、どの人どの人? 何色?何色に見えたの? どんな感じだった?」
なんて、興奮して聞いてしまった。 チャンスを狙っていただけに、 思わず、身を乗り出してね。
すると、 娘はこう言った。
「言いたくない…」
あ〜あ、がっくり。
どんなふうに見えるのか、 どの人が、どんな色だったのか、 知りたかったのになぁ…
でも、どうしても知りたかったので、 再び、今度は、さりげなく、 興味津々でないように装ってまた聞いた。
「ねぇ…何色だった? 女の人?男の人?」
「女の人…」
「何歳くらい?」
「わからない…な」
「何色に見えたの?」
「説明できない…」
ということで、結局、 女の人だということしか、わからなかった。 娘が、あまりに言いたがらないので、 私もこれ以上聞くのをあきらめた。
ところが… ケーキを食べているときに、 娘が突然こう言い出した。
「あのね、久しぶりに見えたの… ビックリした… もう見えないかと思っていたから。 また、見えるようになるのかな… いやだなぁ…」
どうやら、あのときは、久しぶりに見えて、 動揺していたのだとわかった。 小さな頃よりは見える頻度が少なくなってきていて、 このところ、ほとんど見えなくなっていたらしいのだ。 私には、特殊能力に思えて、この能力を伸ばせば
「今どきなら、職業にできる!」
などと、大人の考えになるのだが… 娘にとっては、かなり負担なものらしかった。 そういうものが見える人にとっては、 いろいろ複雑な思いを持つものらしい。
もっとも、このオーラが見えた人が、 どんな人で、何を表しているか、そういうことは 娘には全然わからないということだった。
私は、しつこく聞いたりしたことを反省し、 その後は、もう聞かないことにした。 (詳しく聞きたかったけど大人だから我慢した)
さて、こんな娘が、 アルバイトを始めた。
とあるコーヒーチェーン店だ。 毎日、レジ打ちを頑張っているらしい。 どんなふうになっていくのか… また、見えるようになっていくのか… 私の興味はまだまだつきない。 これからどうなっていくか、 ゆっくりと見守っていきたいと思っている。
あ、ちなみに、 私のオーラは見えないそうだ。 なんだか、ちょっと残念。
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