まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2007年07月05日(木) 車イス犬、ハープの話し

私は、知らない小道や脇道を見つけて、
そこを歩くのが大好きで、大通りを避けて、
そんな道に入っていくことにしている。
このあたりは、小道や脇道だらけなので、
まだまだ入ったことのない通りもあるのだ。

先日、そんな小道を見つけて、

「おっ、この道はまだ歩いたことがないね」

などと思いながら、奥へずんずんと入っていくと、
こんな集まりのような光景を見つけた。





「あらっ、なんだろう…
 なんだか、犬さんが、
 カートみたいのに
 乗っているね…」




そう思い、近づいてみると、
やっぱり、
犬さんがこんなふうに、
カートに横座りに
なって乗っていた。







私は、思わず、声をかけた。

「歩けないんですか?」

すると、飼い主さんがこう教えてくれた。


「ええ、今年の4月6日に、この先の道路で、
 交通事故にあって、下半身不随になったんですよ。
 下半身が全く動かないんです」



詳しく聞いてみたら、息子さんと散歩している途中、
首輪が外れて、道路を横切り、その時に、
車にひかれてしまったということだった。
さらに、飼い主さんはこう教えてくれた。


「あのね、下半身に車がすっかり乗っかったので、
 下半身がつぶれてしまったんです。でも、幸い、
 下半身不随だけですんで、命は助かったのよ。
 でも、あと5センチ前のほうだったら即死だって、
 獣医さんに言われました。よく助かったって。
 この子の生命力に感謝しているんですよ。」



どうやら、不幸中の幸いだったらしい。


「まぁ、でもよかったですね、助かって…
 名前はなんて言うんですか?お年は?」
「ハープです、14歳です。
 もう長いこと飼っているので家族ですね」



ということで、私は、ハープと知り合いに
なるべく、喉のあたりをなでなでしたり、
ハープに話しかけたりした。

でも、ハープはやっぱり、
切なそうな顔をしていた。
「そうだよね…やっぱり辛いよね…」
そう感じた。


 



「でも、こうして外にでられるだけでも
 気分が違うでしょうね…」
「ええ、違うと思います。
 こうして散歩できることで、
 少しは気分が晴れると思うんですよ」



こんな話しをしていたら、飼い主さんが
こんなことを教えてくれた。


「実はね、今、お手製なんだけど、主人と、
 ハープ用の車イスをつくっているの。
 そんな大げさなものじゃないんだけど、下半身に
 取り付けて、動けるようにしてあげたいと思って。
 前足は大丈夫だからね。
 でね、昨晩のその車イスに乗せてみたの…」
「ええ、で、どうでしたか?」

「それが、ハープがとっても喜んでねぇ…
 自分で動けるものだから…
 自分で好きな処にいけないというのがいちばんの、
 ストレスだったから、嬉しいらしくて。
 でもね、まだ慣れてないから、
 前になかなか進めなくて、
 後ろに進んじゃうんだけどね。
 でも、これも、練習して慣れれば大丈夫だと思うの。
 とにかく、とっても嬉しそうだったわ…」

「ああ、よかったですね…
 室内で、うまく動けるようになったら、
 お外も散歩できますね」
「ええ、そうなの…
 まだ車イスは改良のよちがあるけど、
 これから、手直ししてもっと動きを良くして、
 部屋で練習させて、うまくできるようになったら、
 外も歩けるわね、楽しみだわ…」



ということで、ハープは今、
ハープを想う飼い主さんたちの手によって、
お手製車イスをつくってもらっている最中で、
その車イスがうまくできて、
うまく動けるようになったら、
外の散歩もできる可能性があるということだった。

「ああ、よかったね、ハープ。
 きっと、もう間もなく、お散歩できるぞ。
 そして、よかったね、
 飼い主さんに大切にされて」


私は、そうハープに声をかけて、
飼い主さんに教えてもらったお礼を言い、
さよならをした。

今度、ぜひ、ハープが車イスでお散歩している
姿を見てみたいと心から思ったのでした。
ハープのその姿をみたら、すぐに報告します。
この小道を覚えておかなくちゃね。





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