2007年01月14日(日) |
「太郎」はいなくなった… |
今日は、以前紹介したことのある犬さんのお話である。 詳しくはこちらを見てくださいね→「雨の散歩もまた楽し」 (記事は下の方に書いてあります)
この犬さんの名前を勝手に「太郎」と名付けて、 この路地を通るたびに 「こんにちは、元気してる?」 と挨拶して、なでなでしていた。 (これは昨年6月の写真)
しかし「こんにちは」をするたびに、 どんどん弱ってきているのがわかっていた。
10月に入ると、こんな感じになっていた。 とてもふらふらとしていて、 「太郎、太郎」などと仮の名前を呼んでも、 振り返るのもやっとという感じだった。
あらら…
だいぶ弱ってきたね、 「太郎、大丈夫?」 と心配になってきていた。
そして12月。
この路地を通ると、こんなふうになっていた。
「ああ、太郎は逝ってしまったね…」
と私は察した。
そして、1月。
また、この路地を通ると、 お正月用の花が飾ってあり、太郎用の水入れに、 水もちゃんと入れて置いてあった。
「ああ、本当に逝ってしまったんだわ…」 そう、思って花を見ていると…
偶然、このお宅から 年配のおばさんができてたのだ。 私はどうしても太郎のことが聞きたかったので、 おばさんに話しかけた。
「あの〜、ここにいつもいた犬さん、 亡くなっちゃんたんですか?」 「ええ、11月28日に」 「ああ、そうだったんですか…いつもお花が飾って あるので、いなくなったんだなぁと思って…」 「主人が、毎朝あげているんですよ。」
太郎は、11月28日に、 逝ってしまったのだ。
「何歳だったんですか?」 「17歳だったんですよ、もうおじいちゃん犬でね。 大分弱っていたので、亡くなる2日前に 玄関の方に入れて、温かい敷物をしいて、 体を温めたりしてマッサージしたりしたんですが、 だんだん体温が低くなって。 最後は、みんなの顔を見て、静かに息を 引き取ったんですよ。」
苦しまずに、みんなに看取られて 逝ったらしい…よかった…
「そうだったんですか… いつも写真を撮っていたんです、かわいいので。 ところでなんて言う名前だったんですか?」 「チャーリーです」 「ああ、チャーリーだったんですか…」
私はいつも「太郎」と呼んでいたが、実は、 チャーリーという名前であることがわかった。 「チャーリー」だったのか…そっかぁ。 ちょっと思った名前とは違っていた。
チャーリーは雑種で、もらってきたときには、 とても小さな犬だったと言う。 そして、散歩が大好きだったと言う。
「とってもかわいくて。人なつこくて…」 「片方の足の白いのがかわいかったですよね」 「ええ、それがトレードマークで、みんなから 可愛がられたんですよ」
そして、おばさんは最後に
「いなくなってみると…寂しくてね。 いまとなってみると、こんな狭いところに よく17年間もいてくれたなぁと思うと、 いじらしくなってきてしまうんです…」
そう言って、涙を浮かべた。
確かに、この路地は狭くて、 チャーリーがつながれている場所も 本当に狭い場所である。 恐らくチャーリーの動ける範囲は、 1メートル四方くらいのものだと思う。 この範囲の中でチャーリーは、17年間暮らし、 そして、毎日の散歩を楽しみにしていたのだ。
毎日、ここでチャーリーは 何を見ていたのだろうな… と思わずにおれなかった。
しかし… チャーリーはみんなに愛されていたのだ。 きっと、みんなに いっぱい声をかけてもらったに違いない。 そして、多くの人に愛嬌を振りまいて、 多くの人をなごませてきたのだと思う。
「チャーリー、ご苦労さまでした」 と私は思った。
私は、おばさんに教えてもらったお礼を 言って、この場を離れた。
そして、 「いまごろ、天国で遊んでいるかな。 チャーリー元気でね」 と心の中で語りかけたのだった。
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