まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2006年10月03日(火) 白い靴の謎

かなり前に、白いブーツのことを書いたが、
(詳細は「白いブーツの謎」を見てくださいね)
今度は、白い靴である。
白い色の靴は、目立つのである。


今回は、こんなふうに捨てられていた。
ちゃんと、揃えられて…






実は、ここは、ゴミ出し曜日以外は
捨ててはいけないことになっている。
不燃物の捨てる日は、月曜日である。
しかし、この日は木曜日であった。

しかも、このゴミ捨て指定場所は、
いつも不法投棄が多くて、
こんな風に警告が出ているところなのだ。





大胆にも、ここに、
こんなふうに、目立つように捨てていくとは…
この靴一足だって、見つかれば、
「5年以下の懲役、1千万以下の罰金」刑に
なるというのに。

(もっとも以下の範囲は広いが…)


ふーむ…


誰がゴミ出し曜日以外に捨てたのか。
しかも、この一足だけ。
こんなふうに揃えて。
こんなに目立つのに。
捨てるなら、ちゃんと袋に入れれば、
こんなふうに目立っていて、
私に見つけられることもなかったはず。
みんなにも、じろじろと見られて、
不思議がられずに済んだはずだ。


しかし、白い靴はちゃんと、
揃えられて捨てられている。


どうしても目立つ。
あまりに目立つ。


私は、側によって、
じっと見てみた。






まだはける。
確かに、ちょっとよれよれだが、
まだはける。
そして、後ろを見たら、
かかとだって、それほど減ってはいない。
なぜ、このような形で捨てたのか。

ここで新しい靴と、はきかえて行ったのか。
そうすればゴミをわざわざ捨てにくる手間が省けるし。
そして、お世話になったので、
ちゃんと揃えておいたのでは?

そんなことを考えながら、
写真を撮っていると、
後ろから、声をかけられた。


「あなたのご主人の靴なの?」


ビックリして振り返ると、
おばさんがちょっと怖い顔をして立っていた。
どうやら私が写真を撮っているので、
そう誤解したらしかった。


「いいえ、違います。ただ、目立つなぁと思って、
 なんでだろうと写真撮っていたんです」

などと、ワケのわからない理由を言ってみると、
そのおばさんは、


「あら、違うの。困るのよね、曜日以外に
 出されちゃ…ねぇ」
「ええ、そうですね、許せませんね。
 でも、何でしょうね、この靴…」
「あのね、2,3日前からあるのよ。
 ホントにいやね、不法投棄する人って。
 でも、確かにこの白い靴目立つわね」
「ここで、新しい靴にでもはきかえて
 行ったのでしょうかね?」


私の考えを言ってみた。
すると、おばさんは、こう言った。


「ご主人が、夏物でも整理していて、
 要らなくなったので、朝の通勤途中に、
 玄関から、手で持って
 何気なく置いて言ったんじゃないの」


おおっ、そうか…
なるほど!



おばさん、なかなかするどい。
きっと、そうだ、
そうだとしたら、ものすごく現実感がある。
私は、おばさんの言った通りに
捨てられたのだと確信した。



「そうですね、その通りですね」
と大きくうなづいて言うと、
おばさんは、笑って言った。
「そんな感じよね、でも、この
 不法投棄は、何とかしてほしいわ」

私は、再び大きくうなづいて、
「そうですね」と言い、おばさんに
さよならを言って別れた。


後日、また、ここを通ると、
今度は、不法ごみと一緒に
まだ白い靴は並んで捨てられていた。





しかし…


この白い靴だって、
随分頑張って働いて来た靴だと思う。
一生懸命踏まれながらも、
ご主人様のために、足を守ってきたと思う。
それを、こんなふうに、
捨ててもいいものかと私は思った。
この靴が浮かばれないと思った。
とても気の毒になった。

そして、この靴に、
ひそかに「ご苦労様でした」と
言ってあげました。



そして、白い靴を捨てるときには、
ちゃんと捨てていい日に、ゴミ袋に包んで、
目立たないように、
捨てないといけないなと思いました。

今日、この道を通ったら、
白い靴はなくなっていました。
よかった、よかった。





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