2006年08月30日(水) |
おおっ、こんな店主だったのか… |
以前、「何かを語りたい店…その2」で、 店先いっぱいPOPだらけの店の話を書いた。 この店ね。
するとその後、 カリンさんから「どんな店主なんでしょうね?」 というメールをいただいた。 実はそのメールの後、私も気になっていた。
そこで…先日、 思い切ってこの店に行ってみることにした。 ちょうど持病に合う、漢方薬を探していたので、 この店で、話を聞いてみようと思ったのだ。
行ってみたら、 また新たなPOPも出ていた。
って、こう、 いきなり聞かれてもな…
相変わらず、何かを語りたい店だね。 ともかく、この店に入ってみることにした。
しかし、いきなり入るのは抵抗がある。 そこで、しばらく外から観察してみることに。 すると、お客さんが結構入っていくのである。 (見てる間に2人入った)
ほぉ〜結構、 はやっているらしい…
店の中をのぞいてみた。 店は思ったより狭い… でも、店内もPOPでいっぱいだった。 こんな感じ。
さらに、店の中にいる店主を見てみた。 どんな漢方薬屋店主かしら? 店主からは見えないところから、 店主を観察してみた。
どれどれ? あっ、あの人かぁ…
店主は、年の頃50〜60代か? チェックのYシャツを着て、 わりとがっしりした男性であった。 お客さんとなにやら楽しげに話合っている。
うん、思っていたより、 ぎたぎた感のない店主みたいだし、 明るそうな感じだね、 私は、ちょっとしつこそうな店主を想像していた。 って、入ってみなければ分からないけどね。
この今いるお客さんがいなくなったら、 入ってみよう…と決めた。 しかし、そのお客さんがなかなか出てこない。 どうやら、話がはずんでいるらしい… そのお客さんは何かを買い込んでいるし。
もしかしたら、相当勧めるのが うまい店主なのかもしれない。 油断禁物だな…
話し込んだら、「これはいいよぉ、効くよぉ」 などと勧められるかもしれない。 すると、すぐに、 「そんなにいいなら、買ってみてもいいかも…」 とついつい思ってしまうので、 店に入ったら、最初に 「今日は、お金がないから、買わないけど、 何かカタログがあったら、もらおうと思って」 とはっきりと意思表示することに決めた。
うん、それなら、大丈夫。 よし、絶対、最初にそう言おう。 私は、お客さんが出てくるのを待ちながら、 そうかたく心に決めていた。
ついに、お客さんが出てきた。 おっ、出てきたぞ。 今がグッドタイミング…
手を触れると開くタイプの自動ドアだったので、 軽く手を触れて、開くドアを待って、 おそるおそる店の中に入った。
その瞬間だった
店主が私を見て、 「ああっ、いらっしゃいっ、どうぞ、 お入りください、どうぞ、そうぞ〜」 と、いきなりとても元気で、 フレンドリーな声をかけてきた。
私が「こんにちは」と言う前で、 先手を取られたが、 やっと「こんにちは」と言った。
さぁ、最初に、 「今日は、お金がないから、買わないけど、 何かカタログがあったら、もらおうと思って」 と言わねばならない。
「えっ…と…あの〜、今日は… 漢方薬の話を聞きたいと思って…でも…」 と、そこまで私がいうと、 なんと、 その店主はこう言ったのだ。
「ああ、私ね、 あまり漢方薬知らないの。 知ってるようなふりはしてるし売ってるけどね。 だから、あまり役に立たないかもしれないけど、 何でも聞いてみて、どんなこと?」
などと、言うのだ。 とても楽しそうに。
びっくりこ!
私はすっかり、とまどってしまって、 「今日は買わない」ということを すっかり言い忘れてしまった。 そして、こんなことを言っていた。
「でも、この店の前には いっぱいのPOPや、 店の中にもいっぱいいろんな情報が 貼られているじゃないですか…」
すると、また店主は 明るくこう言ったのだ。
「あのね、 これはない知識を隠すためなの。 こうしてつけてると、 何となくありそうだと思うでしょ? なんか知ってそうだなって、それが目的なの。 だから、これはカムフラージュね。 それに、目立つでしょ。何やってるんだって? 私は、目立ちがり屋だしね、ははは。」
ひぇ〜 カムフラージュだったのか。 そうだったのか… 目立ちたがり屋だって。 それは、よくわかるけど…
私は、すっかり答えを失ってしまって、 店主の明るさにただ呆然としていた。
すると、店主が、うまいタイミングで、 「とりあえず、このイスに掛けなさいよ、どうぞ」 と、座ることをすすめてきた。
やっと正気を取り戻し、 「ええ、でも、今日は話を聞きたいだけだから…」 と言うと、 店主はまた、明るくこう言ったのだ。
「あ、いいのいいの買わなくても。 無理に売りつけたりはしないから、 ただ話をしていけばいいんだよ。 そんなこと気にしなくていいよ。 だから、掛けて、掛けて、どうぞ」
店主、すすめ上手!
私は、ついつられてイスに腰掛けてしまった… 荷物も脇に置いたりして。 ともかく、勧め上手な、 なんとも、明るく、フレンドリーな店主だった。 私のペースで事は運ばない…
しかも、 座った私の顔をじーっと見て、 突然こんなことを 言い出したのだ。
「あなたは、 おとうさんにかわいがられたでしょう? 兄弟の中で一番かわいがられたでしょう?」 「えっ?」 「おとうさんは、 全財産をあなたに上げてもいいと いうくらい、あなたをかわいいと 思っているのではないかな?」
どうやら店主は、私のことを見て、 いろいろと思うことがあるらしかった。 一種の、コールドリーディングか?
コールドリーディングなどの手にのるはずの 私ではない…などと思いながら、 その後、すっかりこの店主の話術に乗せられ、 そして、すっかりと「語られ」てしまって、 おまけに商品まで、勧めれてしまったのでした。
この続きは、明日書きますね。
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