まゆのウォーキング、ぼちぼち日記

2006年04月27日(木) カフェでの言い争い

少し時間がとれたので、夕方、
近所のカフェで本を読んでいると…
斜め前の席から、
おじさんの怒った声が聞こえてきた。


「あんたが、そう言ったんだろうっっ」
とか言ったように聞こえた。

私は、顔を上げてそちらを見た。
すると、
私の方から見ると、背中が見えるおじさんと、
その前に、女性とその女性の上司っぽい男性が
座っていた。





こっ、これは、
何かもめごとらしいぞ。
なんだ?なんだ?
私は、聞き耳を立てた。
そして、見ないふりをしながら、
観察を始めた。 


どうやら、おじさんはかなり怒っている。
そして、その前に座っている2人が
何やら、かなり弁明をしている。



断片しか聞こえないのだが、
おじさんは「言ったろう…」
女性「言っていません」
男性「そういう言い方はしない……」

とか、
「私は、携帯であなた(女性)に何度も確認した。
 そして計算書も見せて、するとあなたは…
 私は60万円も損しているんだ…」
「だから、それはそちらの判断で…
 私は、そのようなことは言ってません…
 私は、何度か説明しました。」
「携帯で確認したんだよ、私は。
 私が計算したものを見せて…」


などと、断片的に聞こえてくれるが、
肝心なところが聞こえてこない。


ああ、何だろう…
何があったんだろう…
ああ、聞きたい。



このカフェは、音楽もかかっているし、
ざわざわしているし、
おじさんの声は、低いので断片しか聞こえてこない。


しかし、じっと聞き耳を立てて、
わかってきたことは、こんなことだった。
どうやら、おじさんは60万円ほど損したらしい。
その他さらに45万ほど取られた(手数料か?)
おじさんは、その損がわかってから、この会社に
電話をしたが、その対応が非常に悪かったらしい。
(たらい回しにされた?)
おじさんは、そのことを相当怒っていた。
誠意がないと言っているのだ。


前にすわっている女性は、そのおじさんに
たぶん株?に関する何かを進めた人。
男性はその女性の上司で、女性の弁護するために
いっしょに来た。
その2人は、おじさんに、
「そんなことはない。それは考えすぎだ」
などと弁明をしている。



どうやら、
初期対応が悪かったらしい。
ふんふん、なるほどね。



私は、もう本どころではなくなってきた…
本を読んでいるふりをして、
聞き耳を大きく立てた。

私としては、
もっと大きな声で、はっきりと話してほしい。
もっと最初から、私にもわかるように
筋立てて話して欲しい。
しかし、そうはいくまい。

ここは、私が聞こえるように動くしかない。
私が、断片を理解するよりない。
隣の席に移りたいが、それではあまりに
あやしすぎる…
そんなわけで、私は、
じりじりとテーブルとイスを3人に近づけていった。
もちろん、さりげなく、ちょっとずつね。

しかし…近づくにも限度がある。
あまり近づいては気がつかれて不信に思われる。
また、この店の席のレイアウトを崩してはいけない。
だから、もう限界である。
つまり、限界ぎりぎりまで近づいてみたのだ。


そして私は、再び耳をそばだてた。
あーあ、でも残念ながら、
やっぱりちゃんとは聞こえない…
でも、ちょっとは前より聞こえる。



しかし、聞こえてきたのは、
「ないがしろにしている…
「いいえ、そんなことはないです」

「あなたは言ったじゃないか…」
「いいえ、そんなことは、言っていません」
の、堂々巡りであった。


私は、心の中で、
言った言わないを言っていても仕方ないだろう…
もっと先にすすまなくちゃ…
などと思っていた。


しかし、
私が一番気になったのは、
女性の上司らしい男性である。



おじさんの文句に対して、いちいち
「いや、それは違います。
 ですから、それはですね…
 そんなことはないはずです」
などと言っていて、おじさんの気持ちを
ものすごくさかなでしている。
男性はそのことに気づいておらず、ますます言う。
しかも、おじさんの言い分を必ず途中で遮るのだ。
おじさんの言い分を全部聞こうとしない。
おじさんは、ますます不満がたまる。



私は、心の中で、クレームの処理は
そんなやり方ではうまくいかないだろう、
ちゃんと相手の話を聞くことが前提だろう、
この男性は、おじさんのことを全然考えてないと思った。

少なくても、このおじさんは、105万円ほどは、
損しているのだ(たぶんだが)、
そのことの悔しさは認めねばならないし、
電話をして不愉快な思いをしていることも事実なのだ。
この気持ちは、受け止めねばいけないのではないか。
それが基本ではないのか。
自分たちの言い分を振りかざすより…
ちゃんとおじさんの不満や言い分を聞くことが。


だから、この男性に対して、おじさんは、
何度も「誠意が見えない」
と言い張っているのだ。


私は、心の中で、
こんなやり方じゃ…いかんね。
うまく収拾がつかないと思うな…
などと勝手に思っていた。



そろそろ帰らねばならない時間になったが、
帰るわけにはいかなくなってきた。
ここは、どんな結末になるか、
見届けねばなるまい。
途中で帰るワケにはいかない。

この2人は、これから先、
どう決着をつけようとしているのか、
どう落としどころを見つけるのか、
このおじさんはどうするのか…
溜飲をさげることができるのか?


私は決心した。
ここは腰を落ちつけて
最後まで見届けよう…と。
夕飯の準備よりも大切なものがあると…



この決着は、明日書きますね。


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