Getreidegasse


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2010年05月05日(水) 熱いラーメンと冷めた話


マンセルではなく一人で出張に行くと、融通が利いてフットワークが軽くなる反面、
ついつい自分のことを後回しにしてしまうというか、例えば『昼食』なんかは、先に作業を済ませて後から行こう…なんて考えて動いてると、結構14時〜15時頃の遅い昼食になる事が多い。

この日も、出先での作業を終えたのが昼過ぎで、自社に戻る前にコンビニにでも寄ろうかなぁ…なんて考えながら運転しているうちに、なんだか無性にラーメンが食べたくなり、本能の赴くまま偶然目にとまった幹線道路沿いにある某ラーメン店(チェーン店)に入ったのでした。

当然、ランチタイムのピークも過ぎた時間帯で店内は人もいなくて落ち着いた様子。
なんだかお店の人に申し訳ない時間帯だなぁとも思いつつ、入店して席に座る。
さすが客商売というべきか、店員さんも嫌な顔ひとつしないでラーメン作ってくれました。

店内には店長と思われる若い男性(20代後半〜30代前半)が一人、バイトと思われる学生くらいの男性が一人、そして私と離れた席に別の客1名の合わせて4人。
私へのラーメンを作り終えたと同時に、店長は休憩に入る様子らしく賄いご飯を作って、私から少し離れた壁際の隅のテーブルに座ったのでした。そんなに大きな店ではないので、休憩室はないようでこうして人が少ない時間帯に隅のテーブルで休憩しているようです。

で…ここからが本題だったり。

バイト君がいる厨房と、店長が休憩しているテーブルが近い位置にあってか、店長とバイト君はおもむろに雑談を始めました。私は反対側の隅のテーブルに座っていて、三人の位置は丁度三角形のような位置関係になります。休憩中だし、客入りも無い様子なので別に雑談するくらいなら何も問題ないと私も思ってました。

人がいない静かな店内、別に聞く耳立てずも二人の会話は自然と私の耳に入ってきます。
店長はどうやら、この店の経営についてバイト君に語り始めたようです。

『今月の売上は〜万だから〜…云々』
『△△店(チェーン店他店)は立地がいいから売上が〜云々』
『ウチは△△店と比べて人がいないから〜云々』
『△△店の店長は、〜だから〜云々』
『売上を達成する為には〜云々』

さすがチェーン店と言うべきか、むしろチェーン店ならではの会話が聞こえてきます。
全ての会話を聞いていたわけではないのですが、話の雰囲気から店長のやる気が伝わってきます。何が何でも売上を達成して同じグループ(同社他店)より上に行こう、という熱意が伝わってきます。
素晴らしい熱意です。

その熱意は『買い』です。


…が


そのような話を (例え一人でも) お客がいる場所で話すのはどうだろうか?


私語ではなく、『仕事の話』だからいいのでは…という考えなんだろうか。
中には『裏話』みたいな感じで、いい話聞けたと思う客もいるかもしれない。
そもそも、どんな話だろうが気にも留めないという客もいるかもしれない。
だけど私は正直『不愉快』でした。

個人経営のラーメン屋ではなく、チェーン店のラーメン屋。
言ってしまえば、その店長さんは『会社員』という立ち位置になる。
その『会社員』という面が思いっきり出ている会話に…すっかり冷めてしまった。

その会社員は『味』ではなく『売上』に目が向いてしまい
その会社員は『ラーメン』ではなく『商品』と見てるんだと。
そう思ったら、せっかくの美味しいラーメンも
なんだか『会社員が作ったラーメン』に見えてしまい…残念な気持ちになった。

その考え方は、決して間違いではない。
むしろ会社員としては、あるべき姿である。

だけど…
その話を

あなたが言う "商品" 食べてる私の横でするのは…やっぱりどうだろうか?


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