『まぁまぁ、そう卑屈になりなさんな。』 背をまるくして、うな垂れる私の肩をポンと叩き、もう一人の私が言う。 『お前さんは正しいよ。そして相手も正しい。考え方が違うだけだ。』 『…。』 『否定されたっていいじゃないか。人を否定することでしか自分の正当性を主張できない人間だっているんだ。…お前は、お前の生き方を貫けばいい。それがお前の選んだ道ならな。』
『それがお前の選んだ道』 その言葉が、妙に胸に引っかかる。まとわりつく。 後悔はしていない。なのにそれが正しいという自信が持てない。
渇いて行く心を実感するこの頃。 「冷めた」ではなく、「飢えた」でもなく、実に「渇いて」行く。 このまま私の心は何処まで砂漠化が進んでいくのだろうか。
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