Getreidegasse


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2009年12月20日(日) 遅咲きのピアニスト(261)


【クリスマス会2009】

ちょっと…いろいろありすぎて、何から話せばよいのやら。
とりあえず順番に書けるところから書いていきますので…
長くなるかもしれませんが、最後まで読んでいただければ幸いです。

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いよいよクリスマス会の日がやってまいりました。
子ども達が多いクリスマス会ということで、発表者の傍ら進行の盛り上げにと
サプライズ・サンタの役をやらせていただくため、少し早い時間に会場入りして
段取りの確認を行いました。

そんなに大きな会ではないので、段取りと言っても最小限なもので
まず最初に生徒さんが順番に曲を発表するので、最初のうちは普通のカッコして何食わぬ顔で保護者の席に座り
最後の何人か前で先生が合図をしてくれるので
そこで席を外し、サンタ衣装に着替えて入口外で待機
そして講師演奏の後の合図で、満を持してサンタ登場…という流れ。
登場後に『ピアノも弾けるサンタさん』というコトで私が弾くのですが
講師演奏の直後というのはまぁなんともプレッシャー。
サンタ補正でどこまでいけるかがカギのようです。
発表後はゲームやプレゼント交換をするのでその時にアシスタント的な役割もするのですが
そこはアドリブでなんとかなる範囲。

…と、打合せの段階では完璧だったのですが。

残念ながら、私のサンタ計画は…この後
予期せぬとんでもない結末を迎えることになってしまったのです。

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まずは予定通りに、クリスマス会が始まり
予定通りに、生徒さんの発表が始まり
予定通りに、先生の合図があり
予定通りに、コッソリ衣装を持って着替えに向かう私

そう、ここまでは全て予定通り。

楽屋や控え室がある訳ではないので共用トイレでコッソリと着替えて
さぁ後は突撃を待つばかりと、入口前で待機して
今か今かと先生からの合図を待っていたのですが

ちょうどクリスマス会が行われている隣の会場(というか部屋ですね)では
何処かの英会話スクールが、レッスンだかクリスマス会を行っていたようで
しかもちょうど休憩時間に入ってしまったようで


あろうことか、そこの生徒さん達(おそらく小学生)に見つかってしまい。


瞬く間に取り囲まれてしまった私なのであります。

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『あーーーっ、サンタさんがいるーーーーっ』

一人がそう叫び
そこからはもう小学生たちのやりたい放題です。

『うわーーー、サンタだぁ!   ガスッ (←蹴り)』
『ちょ、なんでこんなところにサンタがいるのー?』
『うわぁーーー、うそくせぇ髭』
『何歳?何歳なの?ねぇ何歳?ねぇ何処から来たの?ねぇ?何処から来たの?ねぇ…』

何人かのガキどもに蹴りをくらい
ませた年長のガキには『どーせ偽者でしょ…ハンッ』と蔑まれ
やめろと言っても容赦なく髭を引っ張られ
私の後ろに回りこんで帽子を取ろうとし
裾をめくられて『うわ、この人スーツ着てるw』と言われと
多勢に無勢の容赦ない攻撃(と口撃)を受け
しまいには『こいつ』呼ばわりされ

『ねぇねぇーーみんなぁ、サンタがいるよーーー』
と誰かがさらに援軍を呼び…
ガキどものいたずらは、どんどんエスカレートするばかり…
まだ純真にサンタだと信じての行為であれば許せるものの
明らかにガキどもの目は『このサンタの化けの皮をいかにして剥いでやろう』という
冷めた悪意しか伝わってこズ、それが厄介極まりない。

スグにでもクリスマス会場に逃げ込みたかったのですが
段取りが段取りだけに、そういうわけにもいかず
当然クリスマス会は進行中なので、味方が出てくるわけでもなく
しかもこういうときに限って何故か英会話スクールの会場からは
保護者や講師は誰も出てこず…出てくるのは小さな悪魔ばかり

ただただ、一人でこの状況を打破するしかなく
最初は、適当に受け流していたのですが
多勢に無勢なのと、周りに保護者大人がいないことをいいことに
ガキどもの攻撃はどんどんエスカレートし…

耐えに耐え忍んだ挙句

さすがの私も、ついに自分の立場を忘れ、ブチ切れてしまい
全くの接点のない子どもたち相手に
クソ思いっきり…怒鳴ってしまいました。

『いいかげんにしろ!クソガキどもがぁあああああああああ!』

一人のガキの頭をわしづかみにして
思いっ切り舞台声(大ホール仕様)で叫んでしまいました。

…一瞬で静まり返る悪魔たち。

でも、静まり返ったのは一瞬で
やっぱりはしゃぎ始める悪魔たち

もうここまできたら私にはどうすることも出来ません。
もう成すがままに、取り囲まれ罵声と罵りを受けながら
「あぁ街で芸人がお兄ちゃん達に追いかけられるのって、こういう気分なんだな…」
と変な悟りを開いてしまい
なんで私はこんな仕打ちを受けているのだ?と、もう悲しみというか諦めというか
もうどうにでもしてください…状態でした。

わずか10分足らずの出来事だったとは思いますが
集団ガキの恐ろしさと、トラウマを私に植えつけるには
その10分はじゅうぶん過ぎる時間でした。

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程なくして
休憩時間が終わったらしく
ようやく私はこの地獄から抜け出せたのですが
まだ先生からの合図はなく
引き続き入口で待機しなければならず
待っている間も
またいつガキどもが出てくるのかと
戦々恐々でした。

その後、予定通りに(←段取り的に)合図がきて
私は何事もなかったようにクリスマス会場に突撃し
紹介を受けたあとに
【広い世界へ】を弾くことになったのですが

先程の出来事を引きずってい私は
思いっきり動揺していたようで
肝心の演奏はもうグダグダで
2回繰り返すはずのフレーズも、1回で強引に終わらせて
もうダメですと、さっさと発表を切り上げてしまいました。
先生…本当にごめんなさい。

この後の、ゲームやプレゼント交換では
なんとかサンタ業で挽回し
気分的にも少しは持ち直したのですが


クリスマス会が終わって
一人になると
やっぱり、いろんな悔しさやら悲しさやらが込み上げてきて
かなりショックを受けてしまったようです。

せっかく好きになりかけていた子どもが
たった1日で、大嫌いというよりかは…怖くなってしまいました。

半年の努力が一瞬でフイになったことで、ピアノも触る気力が失せてしまい
次回のレッスンがちょっと怖い私がいます。

しばらくはサンタの衣装も見たくもありません。

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…こうして、(会的には)無事に終了したクリスマス会でしたが
私にとっては何ともせちがらいクリスマス会となってしまい

初めてピアノに関して『忘れ去りたい1日』となりました。


数日前に稽古場で試着した時の様子
手に持ってるのは出演する演劇祭のポスターです
…この時はまだテンション高かった


このサンタの衣装は、速攻燃やして灰にしました。


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