デジタル大辞泉/小学館 より
やさし・い【優しい】 [形][文]やさ・し[シク]《動詞「痩 (や) す」の形容詞化で、4が原義》 1 姿・ようすなどが優美である。上品で美しい。 「―・い顔かたち」「声が―・い」 2 他人に対して思いやりがあり、情がこまやかである。 「―・く慰める」「―・い言葉をかける」 3 性質がすなおでしとやかである。穏和で、好ましい感じである。 「気だての―・い子」 4 身がやせ細るような思いである。ひけめを感じる。恥ずかしい。 「なにをして身のいたづらに老いぬらむ年のおもはむ事ぞ―・しき」〈古今・雑体〉 5 控え目に振る舞い、つつましやかである。 「繁樹は百八十に及びてこそさぶらふらめど、―・しく申すなり」〈大鏡・序〉 6 殊勝である。けなげである。りっぱである。 「あな―・し、いかなる人にてましませば、味方の御勢は皆落ち候ふに」〈平家・七〉
[派生] やさしげ [形動] やさしさ [名] やさしみ [名]
普段何気に使われる【優しい】だけでも、これだけの意味がある。 何故に辞典を引用したかというと 実は私、『優しい』と言われるのが、あまり好きではないのです。 正確に言うと "好きではなかった。" と過去の話なのですが。
これだけたくさんの意味がある『優しい』を、ただ単純に 『kandamaさんて優しいね』なんて使われると それって、どういう意味で使っているのだろう…と勘ぐってしまう。
多分、ほとんどの場合 上記で言うところの「2」の意味で言ってくれてると思うのだが なんていうか、よくわからんヤツがいきなり言ってきたりすると なんか「優男」と言われてるみたいで、正直ムッとしてしまうのだ。
私にとって『優しい』って言葉は、すごく抽象的で都合の良い言葉に聞こえるのです。 『他に思い当たる言葉がないから、とりあえず "優しい" と言っとけ』みたいな。 そのように聞こえてしまい、あぁそうか、私は特徴ない人なんだなぁ〜って思ってしまうのです。 …天邪鬼ですかね?
良くも悪くも、とんがった評価を求めてる私にとっては 何かとオールマイティに使えてしまうこの『優しい』という評価はどうも受け入れ難いのです。 言ってしまえば、器用貧乏に対するコンプレックスなんだろうけど。
『優しい』という言葉を使うのなら、もう少し具体的な表現も補足して欲しい。 それがあるだけで、『優しい』という評価は、最も私が嬉しく思う素晴らしい言葉にもなるのだから。
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