2013年01月22日(火) |
独り善がりの解決法の成果 |
「独り善がり」を大辞泉で引くと、「他人の意見を無視して、自分だけでよいと思い込んでいること」と書かれている。鳩山由紀夫元首相が個人的に訪中し、尖閣諸島に関して「係争地である」と認める発言をしたことだ。 鳩山氏本人は善かれと思って言っているのだ。日中の軋轢を解決するために相手の意見を受け入れようとしたのだろう。だが、日本が尖閣諸島は疑いなく日本の領土であり係争地などではない、という公式の発言と矛盾する発言である事には気が回ったのだろうか。現に小野寺防衛相は「『国賊』という言葉が一瞬、頭をよぎった」と述べている。
アルジェリアの人質事件も独力解決にこだわったアルジェリア政府の強行作戦も独り善がりと言える。犯人グループを壊滅させたのは良かったが、多くの人質の命は失われてしまった。逃走する隙を与えず一応打尽にしたのはよかったが、あまりにも人質に関する思慮に欠けているのではないだろうか。慎重に状況を見極めた上でも十分に解決できたはずだ。 鳩山氏もアルジェリア政府も、物事の解決にあたっての言動だろう。だが、その判断で多くの人が満足する結果が得られるかどうか、それを両者にはもう一度よく考えていただきたい。
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