魔法の出てくるファンタジーの物語には、時折「真の名」という要素が使われる。戸籍上の名前ではなく、森羅万象全てに付けられている名前で、そのものの本質を言い表した名前のことを指す。 「真の名」がよく出てくるのは召喚魔法や、悪魔等の他の存在を使役する類の魔法で、つまるところ何者かに真の名を知られるということは、その何者かに従わざるを得なくなるということを表す。それ故に、真の名は滅多どころか絶対に他に漏らさないようにしなければならない。
政府与党は本日の閣議である法案の国会への提出を決定した。一体改革の一環とする共通番号制度に関する法案、通称「マイナンバー法案」である。これは国民総背番号制と呼ばれる制度の一種で、国民の一人一人に番号を割り当て、今まで一元管理できていなかった番号を全て統一する考えだ。 この「マイナンバー」、インターネットの普及もあり、他人の番号を手に入れれば、年金や社会保障など、本人の国民としての権利を奪い取れる可能性もある。取り扱いには相当気を配らねばなるまい。
先ほど述べた「真の名」。概念自体は古いものであるが、現代のこの「マイナンバー法案」を見ていると意味深長な暗喩に思えてくる。
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