言の葉孝

2012年02月13日(月) 変化の強要

 今年1月19日、米イーストマン・コダックが破産を申告した。フィルムを使うカメラを使っていた方にはなじみ深いだろう。カメラが手になじみ、少し気合いを入れて撮りたいときに奮発して買うフィルムがコダックのフィルムだったという声が聞かれる。
 時代はデジタルカメラのものとなったが、コダックはフィルム事業からメインの事業を移せずそのまま倒れることになった。皮肉にも世界初のデジタルカメラを送り出し、カメラのデジタル時代への先駆けとなったのは他ならぬコダックであるというのに。

 倒れる巨人もあれば未だ登り続ける巨人もいる。建機最大手であり、無限軌道の代名詞となっているキャタピラーは中国など新興国での主導権を握り、最高益を記録した。
 この2社の興亡が物語るのはいかに業界で確固たる地位を築いた大企業でも、居心地のよさに胡坐をかいていては生き残れないということだ。常に時代を睨み、リスクを冒して、藪を切り拓き、新しい道を探り当てたものが常に勝ち組となるのである。

 いかに心地よい状態を築いても、留まることを決して許さず、変化を続けることを強要する。いつまでもそこにあると思っているものほど、時間は最大の敵なのかもしれない。

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