言の葉孝

2011年02月19日(土) 違法ダウンロード撲滅運動 【1】「違法ダウンロードしないで」に対する反論

 昨日Yahoo!のニュースで違法ダウンロードについての記事が掲載されました。
 アンケートで「違法ダウンロード」を行ったことがある、と答えた人は多くなっているとの記事でした。ここでいう違法ダウンロードは大体動画投稿サイトやP2Pソフトを用いたものだと考えられます。
 これはコンテンツ業界の存在を大きく揺さぶられる問題であります。
 そして、歌手、漫画家を初めとするアーティスト、クリエイターの利益を否定するものなのです。(以下、製作する側の人間をアーティストという呼称に統一します)
 今日はその違法ダウンロードについて、述べたいと思います。
 長いので章立てで。

 この記事に対するYahoo!コメントの内容で「違法ダウンロードはいけないからやるな」というメッセージに対する反論は、大体5種類。

(1)「CDが高すぎる。そこまでのお金を払う価値を感じない」
(2)「ダウンロードできてしまうほうが悪い」
(3)「特に定義も規制もされておらず、刑事罰が定められていない」
(4)「みんなもやっている」
(5)「仕方がない、どうにもならない」

 実はコメント欄は9割方この種のコメントで埋め尽くされています。

「俺もやってる、でもそれは○○だからだ」

 上記の言葉の中に(1)から(5)を当てはめて見てください。驚くほどしっくりきますね。
 僕に言わせれば、これらは反論ではなく言い訳、責任転嫁の開き直りの論理です。

 確かにCDは高いし、ダウンロードしても特にとがめられることはない。みんなやってるから違法だと言われても怖くない。
 世の中にはダウンロードに使えるツールがあふれて、それが取り締まりの対象になっていないのも問題です。
 ダウンロードは非常に簡単で、それで無料で作品が手に入れられるのだから、わざわざ店に行ったり購入手続きをしてダウンロード購入する気は起こらないのも分かりますよ。無料でオイシイ思いができるんだから。

 でもね、それって違法ダウンロードが良いことか悪いことかという問題とは別の話ですよね。

 「違法ダウンロードは悪いこと」という意見は皆さん一致すると僕は思うんです。
 なにせ、お金をかけて作られた商品を無料で自分のものにしちゃうんですから。その分、その作品を作ったアーティストの利益は落ちる。被害を受けるわけです。
 そうするとそれをアーティストが生活できません。そうしたらアーティストになろうなんて人は激減し、僕らを楽しませてくれる作品も激減するのは周知の通りだと思います。

 上記の反論の中では(1)に含みましたが、「ファンなら買うだろう」という意見もありました。
 なるほど、商品と引き換えにお金を渡すのではなくファンが個人的なスポンサーとなって、アーティストの活動を支えると。それでアーティストは存続できるし、ダウンロードしてる人たちはずっと作品を楽しめるわけですね。
 確かにそういう活動形態はアリですね。

 でも、なんでそんな制度が勝手に決められてるんですか。
 
 現在の個人に対する作品の提供は、商品の売買に基づくものであり、スポンサー制ではありません。そういう制度でお金を集めると公言し、その代わり作品の提供は無償であると取り決めない限りそんな言い分は通らないのです。

(続く)

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