言の葉孝

2009年11月26日(木) 作品における厨二病

 最近一気に読んでいるweb漫画が増えてしまいました。

 『週刊少年VIP』http://neetsha.com/inside/main.php?magazine=1)という漫画の投稿サイトがありまして、たくさんの漫画が毎日のように更新されていくのですね。

 それだけ集まればレベルの高い、一気読みせずには居られない作品がないわけがありません。
 そんなわけで、ブックマークのweb漫画フォルダには5作品のリンクが追加されたのでした。

 このサイトの漫画の特徴は、オリジナルとかにこだわっているわけではなく、むしろジャンプ漫画をはじめとした著名な漫画のオマージュで成り立っていること。
 もちろん小説も含めてネット上のどの作品にもある程度そういった要素は含まれているものですが、ここの作品群は半ば確信的で、公言をしている作家さんも少なくありません。

 それから、数多く見かけられるのが『厨二病』を称する作品。リストには作品を簡単に表した言葉が添えられているのですが、「厨二病ファンタジー」とか「厨二病バトル漫画」とかそういう表現の仕方がたくさんあります。

 本来はミドルティーンの大人ぶった言動が滑稽なことから生まれた言葉だといわれますが、作品に適用すると少しばかり意味が違ってくるようです。

・やたら大げさな事件が起こること。
(世界の滅亡が迫っているとか世界征服を狙うヤツがいるとか)

・主人公がはっきりしていること。
(年齢はミドルティーン以下が望ましい)

・主人公の恋愛相手が存在すること。
(個性的で親しみやすいキャラクターであることが望ましい)

・主人公および登場人物には必殺技など戦う術を持っていること。

・その戦う術はかなり多種多様であること。
(効率的に強くなろうとすれば偏りそうなものだが、あえてみんな個性が出してくるというところが厨二病クオリティ)

・その戦う術は、段階的にパワーアップすること。
(たいていは急いでパワーアップしなければならない場合であり、命を懸けるなど、度胸と根性の要る方法で急激に強くなる)

・ご都合主義的展開が見られること。

・結論や結末として夢や愛などの理想論が採用されること。

・その理想論は主人公が唱えていること。

・キツイ展開があること。

・そのキツイ展開は、前述のご都合主義的展開および気合や愛などといった、説明のしづらい奇跡で解決されること。

・登場人物の幾人かは暗い過去があること。

・その暗い過去の回想がされること。
(主人公の場合は話や章の冒頭に夢に見て、回想のクライマックスで声なき声で叫びながら飛び起きるという演出がある。⇒後にその回想の全貌が明かされ、トラウマを克服したところで逆転劇が始まるのがカッコいい)

・ライバルもしくは強力な敵役だった人物が途中から味方になること。


 このうちのほとんどを満たせば“厨二病作品”です。あ、ちなみに“まほゆめ”もほぼ当てはまります。

 そういう作品って面白いんですよね。少年達が書きたいのも、読みたいのも厨二病クオリティあふれる作品だからでしょうか。


 そして、そんな作品を楽しむ少年の心を持つ26歳の俺。(厨二病は主にティーンエイジャーに見られる言動模様です)
 ほら、アレですよ。「大人になるって悲しいことなの」ってことです。ハイ。

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