言の葉孝

2009年08月24日(月) 臨水事故体験

 昨日の日曜日は大学時代の仲間と海に行ってきたのです。
 いやいや、犬を連れずに自分で泳ぐために海に行くのって何年ぶりでしょうか? なんか海でのはしゃぎ方も忘れて、本当に楽しめるのかどうか心配なくらいだったのですが――楽しかったです。

 ところがまあ、楽しいだけではありませんでした。
 今回行った海は3メートルも前に出るとすぐに足がつかなくなる深い海でして、大人だし、浮き輪代わりのビーチボールもあるしで、遊泳区域のギリギリ50メートルくらい沖まで行ったんですね。
 ただ、ビーチボールを捕まえているのも結構、腕とかが疲れてくるものでして、ふとした拍子にビーチボールを手放してしまったのです。

 すぐに取り返そうと泳いで追ったのですが、風と波とでボールが流されるのが、異常に早い。近づくどころがぐんぐん話されていく始末で。
 浮きがなくなると途端に、足がつかないのが心もとなくなるのですね。浮くのも泳ぐのも体力を奪われるばかり。安心できる陸ははるか50メートルの彼方。
 いや、50メートルというと、一般のプール一往復分で大した距離ではないように見えますが、ビーチボールにつかまってここに来るまでも結構大変だったことを考えると異様に遠く感じられました。

 パニックを起こしかけましたが、すぐに決断しビーチボールを放棄して浜に向かって泳ぎ始めたのです。
 泳いでしまえば、ビーチボールにつかまっているより、浮力に体を任せて浮いているほうが楽は楽です。力を抜いて仰向けになれば、ずっと顔を水上に出し続け、呼吸にも苦労しません。
 こうして泳ぐこと10分くらい。なんとか僕は愛すべき砂浜を踏みしめることができました。

 ところがこの話はまだ終わりませんで。一緒にいた仲間も、結構危機状態にあったのです。とくに、眼鏡をかけたまま沖に出てきた子は顔を水につけられないために、なりふり構わず泳ぐという選択肢がなかったのですな。
 僕もライフセーバーを呼ぶか新しく浮き輪でも借りて助けに行こうかと思ったのですが、どうやら遊泳区域を区切っていたブイと綱をたどって戻ってきました。

 振り返ってみれば大した危機ではありませんでしたが、本当に怖かったです。少しでも間違っていれば、パニックになって力尽き、そのまま水の中に沈んだまま浮かびあがれなくなったりして、よくニュースで見かけるような水事故になったかもしれません。
 もう夏も終わりですが、皆さんも足の届かない沖に行く際には見栄を張らずに、浮き輪を持っていくなどの処置は絶対にしてくださいね。

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想 詩拓 [MAIL] [HOMEPAGE]
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