2009年05月04日(月) |
銀鉱と庭園を訪ねる旅 〜5/1 島根〜 |
6時半、起床。 やっぱり旅は早寝早起き。たっぷりと他県の情緒を味わわなくてはね。 さて、今日は今回の旅行のメインイベント、石見銀山。 7時にはチェックアウトして、早速移動だ!
■移動 「出雲市」→「大田市(おおだし)」
出雲市 ↓ JR山陰本線 快速アクアライナー・益田行 ↓ 大田市
「出雲市」7:54発。 俺の早起きは一体……。(※1)
ちなみに大田市からは、石見銀山へのバスが出ております。「大森代官所跡前」で降りれば、「石見銀山資料館」まですぐです。
■石見銀山 (参照:http://ginzan.city.ohda.lg.jp/index.php)
大森代官所跡前で降りると、WAONカード(※2)を進められます。前までは主な名所がお得なかかくで見られるパスのようなチケットが売られていたようなのですが(買ったガイド本ではそうでした)、今は廃止されてWAONカードになっているのだとか。 それを使うと、いくらか割引されるし、すでに入っている1700円がは今日のツアーを回る分には十分です。
また、僕は一人で回りましたが、「石見銀山ガイドの会」(参照:http://iwamiginzan-guide.jp/)という組織があり、時間を合わせれば、無料で龍源寺間歩などの要所をガイドしてもらえるツアーがあります。
【石見銀山資料館(大森代官所跡)】 (参照:http://fish.miracle.ne.jp/silver/)
ここでは採掘に使った道具などが展示されています。個人的に見ものだったのが、採掘の様子を示した絵巻で、ランプを持ってかがんだ状態で奥までもぐりこみ、作業をする様子が生々しく描かれております。 生々しくというのが、虐待の様子を描いたものではないものの、ランプの頼りない明りを持っていつ崩れるともしれない穴の中で作業するのはたぶん僕じゃコワくてできないんじゃないかと思ったわけで。
【熊谷家住宅】 (参照:http://ginzan.city.ohda.lg.jp/Kumagai/index.htm)
重要文化財に指定されている、この地方の豪商であった熊谷氏の住宅です。一度焼失したのを、復元したそうです。 結構何でも屋だったようで、「御用達」という採鉱に必要な道具を買いそろえる役目や「掛屋」という採掘した銀の鑑定を行う仕事もしていたようです。また、この地方に視察にやってくる有力者の接待を任せられており、籠が入ってくるための入り口も見られます。 また、酒造設備なども残っており、大規模な台所も合わせ、昔は豪商の家=企業だったのだな、という感想を持ちました。
【旧河島家】 (参照:http://www.jtb.co.jp/kokunai/Sight.aspx?bookid=A4304750&categorytype=4)
熊谷家が承認なら、河島家は武家屋敷、ということで違いを比較するためにも見てみたのですが、ぶっちゃけ武器が展示してあるところや二階の女中部屋以外は見どころは少なかったように思います。
【五百羅漢寺】
ここは銀山の歴史とは無関係なのですが、ぜひ見るべき一件。最初仏像なんて見てもつまらんと思っていたのですがここはなかなか面白い。 500人の僧が集まって寄り合いを開いているという感じで、岩壁をくりぬいたお堂にたくさんの羅漢像がおさまっているのですが、これがひとりひとり、隣の人とくっちゃべっているヤツ、居眠りしているヤツ、立っている人を見上げているヤツと、真面目なだけじゃない等身大の仏像がずらりと並んでいるのです。 こういう仏様なら親しみを覚えますね。
また、岩壁をくりぬいたお堂の全景も圧巻です。ここはおススメ!
【龍源寺間歩】
本日のハイライト。
間歩(まぶ)というのは、坑道のこと。石見銀山にはたくさんの間歩が開かれているのですが、常時公開されているのはこの龍源寺間歩だけ(※3)なのです。 中はメインの廊下にあちこちで採掘用や、水抜き用の横穴縦穴が展開されているような感じ。横穴縦穴は廊下からのぞけるだけで実際に入ることはできません。廊下はともかく、横穴縦穴が生々しい。先ほど資料館で見た絵巻が思い出されます。 横穴竪穴は大人が張って通れるくらいの大きさがせいぜいです。
これでもたぶんましな方で、龍源寺間歩にたどり着くまでいくつか間歩の入り口が見られたのですが、入口からして横穴竪穴と同じくらいの大きさなのでした。 今はライトアップされているからいいものの、そんなものがなかった調査段階ってどんな感じだったんでしょうね。怖いけど調査段階で見てみたかったです。
【清水谷製錬所跡】 (参照:http://fukumitsu.xii.jp/syu_f/Simizudaniseirensyo_.html)
幕府が倒れた後、採掘量も減り、銀山として機能しなくなった石見銀山に目を付けたのが大阪の藤田組。もっと銀を掘って精製しようと近代的な設備を整えたのがこの清水谷製錬所です。 結局、とれる銀の品質が悪く、結局精錬所の銀の製錬能力が十分でなかったために不採算に陥り、閉鎖になったとか。 結局何の役にも立ってないジャン、という設備の跡らしいです。
現在発掘中らしく、入口のところから見られるところだけしか見られません。看板の説明によると、トロッコで採掘した銀を運んでいるみたいなことが書いてあるのですが、見たいものが見れないなんて!
■移動 「大田市」→「安来(やすき)」
出雲市 ↓ JR山陰本線 快速アクアライナー・米子行 ↓ 大田市
13:40にはすでに「大田市」にいたのですが、一番早いので14:41発のアクアライナーしかないようで、ここで昼食。そこから出発したのですが、「米子」手前の「安来」についたところでもう16:30を回ってしまっていました。 目的地の足立美術館からは無料シャトルバスが走っているはずでしたが、その時間には終わっています。その時ハッと気がついたんです。
足立美術館って何時までやってるんだ!? 観光地はなぜか閉まるのが異様に早い! ひどければ16:00にはしまってるんです。流石にそれはないですが、閉まるのは17:30!
たしか「バスで20分くらい」という情報があったので、バスがあってもつくのは17時前。所要時間2時間(※4)。うまく行っても30分しか余裕がない。 代わりのバスを探すのももどかしく、僕はタクシーを見つけて乗り込んだのでした。(※5)
■足立美術館 (参照:http://www.adachi-museum.or.jp/ja/index.html)
「相生」で電車を待っている間に買ったガイドブックに載っていた美術館。これは行きたいと思えました。 そして行ってよかった! と感激しました。 何がいいかって日本庭園です! 日本一の称号そしてミシュラン三ツ星評価は伊達ではありません。 そのスケール、その美しさ。見事というほか言葉が見つからない!
演出も凝っていて、和室を意識したデザインの建物をこしらえて、その窓を額縁にして庭園を一枚の絵に見立てて見せる「額の生絵」、あるいは掛け軸風に開けた窓を通して「生の掛け軸」とかすごくきれいなんです。
天気が良くてよかったです。雨だったり曇りだったりしたら絶対あそこまで美しく見えない! 29日に行った「藤田邸跡公園」も素晴らしかったし、日本庭園っていいものですね。
島根にはもうひとつ「松江イングリッシュガーデン」というのがあるのですが、そこも今度ぜひ行ってみたい。 予定にあった「木次線」のトロッコ列車も捨てがたいけど、次回にまわそう。
今度の島根県の旅は「木次線及び一畑電車沿線の旅」で決まりです!
■移動 「安来」→「大阪城公園」
安来 ↓ JR山陰本線 普通・米子行 ↓ 米子 ↓ JR山陰本線 特急「やくも」・岡山行き ↓ 岡山 ↓ JR山陽新幹線 「のぞみ」・名古屋行き ↓ 京都 ↓ JR東海道新幹線「のぞみ」・新大阪行き ↓ 新大阪 ↓ JR東海道本線快速・姫路行 ↓ 大阪 ↓ 大阪環状線・外回り ↓ 大阪城公園
実は「サンライズ出雲」に乗っていけば大阪まで直通で帰れたのですが(このときはじめて出雲と大阪が直通で結ばれていることを知りました。) 席が岡山までしか開いていなかったので、しゃあないので岡山で新幹線に乗り換えることにしました。早くなったけどいい加減財布が痛いです。
そこで、ハタと気が付く僕。「サンライズ出雲」の30分くらい前に「やくも」があります。
「あの、「サンライズ出雲」じゃなくて「やくも」だったら一本早い新幹線捕まえられるのでは?」
と聞くと、緑の窓口のお姉さんは
「はい、そうですよ?」
わかってるなら言えや姉チャン。 料金同じだろ。 確かにはじめに「サンライズ出雲」って指名したのは俺だけど、それは大阪まで直通してるからなんだから。「岡山」で乗り換えるんだったら「やくも」でも同じでしょう。 確かに余計な口を挟まない方が安全だけど、それは親切じゃないよ。
という、なんか無計画旅らしいやり取りがあった後、やっと「やくも」に乗って帰路に着いたのでした。
え? 何で「京都」まで行ってるのかって? HAHAHA、ちょっと京都の町並みをみたくなったのDEATHよー!
ということでお疲れ様でした、俺〜。(寒ッ)
※1 俺の早起きは一体……。: ちなみに6:00発なら、普通電車が出ていました。早起きが甘すぎたようです。
※2 WAONカード: 2,000円也。カード発行手数料300円とすでに1,700円分チャージされているから。今回と同じコースをたどると、たぶん、こっちの方がいちいち払っていくよりお得なはず。
※3 常時公開されているのはこの龍源寺間歩だけ: 実は「大久保間歩」という間歩が最近公開されているのですが、中を見るには予約がいるのです。 (参照:http://www.iwami.or.jp/ginzan/)
※4 所要時間2時間: これは、音声ガイドを使った場合、それが終わるまでの時間のようです。実際に見て回った感覚では、あまり惹かれない作品は飛ばせるので、1時間くらいあれば十分見て回れると思います。
※5 僕はタクシーを見つけて乗り込んだのでした。: 大体3000円くらい。確かに20分くらいでしたけど、大阪市内でそれだけのっても千円ちょっと超えるくらいだよ……。地方のタクシーってオソロシイ……。 そして無料シャトルバス以外の交通手段として観光地を回る「イエローバス」があるのですが、こちらは200円。10倍以上の値段の差ってどうよ。
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