2009年04月19日(日) |
マルチメディア展開は作品を選べ |
「ヤッターマン」や「ドラゴンボール」など、近年漫画やアニメを基にした(※1)実写作品が目立ちます。
正直、実写化しようと思う神経がわかりません。 実写化するのが悪いという訳じゃないです。実写化する事でファンを増やすとか、そういう効果は確かに期待できるし、ニッポンのサブカルチャーを根付かせるという意味では意義のある事だと思います。 でもそれによっていい作品がとるに足らない駄作映画に仕上げられるのは我慢がならない。
しかし実写化する作品は選んで欲しいですよ。やっぱり実写作品にするには向き不向きがあります。 おおざっぱに言うと、ドラゴンボールみたいなファンタジー全開な作品は実写には向きません。 超人的な戦闘が多くなったZ以降は特にそうです。どうせなら、もっと丁寧に格闘が描かれていた無印時代ならまだ無理が無かったかもしれない。(※2)
作品のマルチメディア化が進んでおり、今では漫画のアニメ化などは珍しくない話となりつつあります。
二次元までの作品はあえて現実的な詳細を曖昧にする事で、魅力を出しているところがあります。小説、漫画、アニメ、あるいはゲーム。それぞれがそれぞれにしか出来ない独特の表現方法(※3)を持っているのです。 原作はそのメディアならではの表現を多用している場合が多く、他のメディアに移行しようと思うのならば、まず、原作を分析し、その作品がなぜ人気があるのか、その魅力を分析しなければならないと思います。 そして、移行先のメディアの表現を使ってその作品の魅力をどう出して行くかを考えるべきです。
要するに、「この作品は人気があるから実写化(アニメ化、漫画化、小説化、ゲーム化)しよう」なんて考えではなく「この作品はこっちのメディアのほうがいいんじゃないか」と思わなければダメだと思うのです。 逆に、原作で人気のある作品ではなく、人気のない作品の方が、他のメディアに移して成功することが多い(※4)と僕は思います。
マルチメディア展開は商業主義的な見方ではなく、本当に作品を見極めて本当によくなるか考えて行う作品中心主義で考えた方が、結果的に売り上げはのびると思うのですが、いかがでしょうか。
※1 漫画やアニメを基にした: しかし小説や漫画を原作としていないアニメってどれだけあるのでしょう。
※2 無印時代ならまだ無理が無かったかもしれない。: しかし、ウーロンをはじめとする人外キャラも多いのでやっぱり厳しいです。
※3 それぞれにしか出来ない独特の表現方法: 僕に言わせれば、web小説と紙媒体の小説の間ですら、表現に隔たりがあると考えております。これはまた機会があれば、述べたいと思います。
※4 原作で人気のある作品ではなく、人気のない作品の方が、他のメディアに移して成功することが多い: 考えてみれば、結構的を射た考え方だと思うのです。
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