今日実家から戻ってくる電車の中で見かけた一幕です。
車両の端にある、ボックス席の一つを体の大きな若者が座っていました。ありがちなことに足を組んで眠っており、車内の席はほどほどに埋まっておりましたが、誰もそのボックス席に同席しようとはしませんでした。この人を仮に“足組み男”と名付けます。
途中で乗ってきた人で、同じく体の大きい若者、しかも鼻にピアスをしている人がもう一人、そのボックス席に座りました。この人を仮に“鼻ピアス男”と呼びます。
二人はボックス席の斜向かいに座っていたのですが、鼻ピアス男が足組み男の足を、「お前の足、邪魔なんじゃ、ボケ!」と突然怒鳴って蹴飛ばしたのです。 足組み男も血の気が多そうだったのですが、面倒事は避けたかった様子で足を組みかえて鼻ピアス男に当たらないようにしてやったのですが……。
「だからお前の足、邪魔や言うとるやろが!」
といきなり立ち上がり、胸ぐら掴んでガッツンガッツン揺らしたではありませんか。 その後、超険呑な雰囲気の二人でしたが、足組み男が詫びを入れる形になって、その場はおさまったのです。
僕はその向かいのボックス席に座って一部始終をのぞき見していたのですが……。
言われる立場が僕だったら、どうしたでしょうか。
喧嘩は弱いくせに妙な意地だけはあるので、言っていることが正しくても、力と勢いにモノを言わせるような粗暴な振る舞いで迫られたら逆に謝らないでしょう。 そんで、大けがとかしていたかもしれません。
足組み男はよく詫びたと思いますよ。血の気の多い人だと思っていたので、売り言葉に買い言葉でそのまま殴り合いになるものだと思っていました。ひょっとしたら経験上、いくら腹が立っても、詫びて済ますのが一番賢いということを学んでいるのかもしれません。
しかし、世間知らずな僕としては、暴力に屈するのは到底納得できるものではないので、どうにかしてピアス男を凹ませる方法はないかとその後、ずっと考えていました。
力にモノを言わせるというのは、原始的ですが、もっとも簡単で効果的な交渉方法の一つだと思います。しかもこれを得意とする人はあまり人の話を聞かない人が多いので、話して解決するということも難しい。 それに屈しないための方法で手っ取り早いのがそれ以上の力で対抗すること。自分にその力がなければ、それができる人とコネクションを繋いでおいて助けてもらうという方法があります。(単独行動時の突発的な事件の対処に関しては、コネにモノを言わせる時間はないのですが) ただし、この方法はその時に相手の息の根を止めない限り、相手の復讐心をあおってしまう可能性があるので注意が必要と思われます。
他の方法としては、相手を騙すこと。力でモノを言っている人は頭ではあまり考えていないことが多いです。ということは、ウマく話せば騙して話の方向をそらすなどすれば、暴力沙汰は避けられるかもしれません。
しかし、力も相手を騙す強かさも持ち合わせていない僕としては、どちらの方法もとれそうもないです。 やっぱり見つからない当面は誤ってその場をしのぐ方法をとるしかなさそうですな。
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