一人暮らしを始めてからあまり本を読まなくなっておりましたが、この頃よく営業に出るようになって鞄に本を忍ばせるようになりました。といっても、読んでいるのは既読の『キノの旅』シリーズなのですが……。ちょっと前に『メグとセロン』を読んで3冊目の「ウレリックスの憂鬱」のあとがきか、どっかに書いてあった、
『──6人の個性豊かなメンバーによる、恋あり、友情あり、ミステリーあり、のドキドキハラハラワクワクドタバタ学園物語、第3巻が早くも登場! 今回のサブタイトル“ウレリックスの憂鬱”にピンと来た人は、かなりの時雨沢作品フリーク!』
という、文句に引きつけられて、時雨沢作品を一気に読み返していたのでした。謎は解けたのでスッキリ! これでオイラも時雨沢作品フリークだぜ! もう大分読んでなかったので割と新鮮な気分で読めました。
とまあ、ついにシリーズ読み終えたので、新しいのでも読もうかと手に取った『空の中』(有川浩・著/角川文庫)が本日の本題でございます。
あらすじとしては数十年ぶりに日本に立ち上がった国産民間機開発計画。しかし、そのテスト機は、2万メートルの高々度で爆発炎上してしまう。 そして、その調査に向かった戦闘機も、2機の内1機が同じく爆散。
空の中で何が起こっているのか? 大人達が原因究明に駆け回っている、そのころ地上の高知では一人の高校生が見たこともない生物を拾っていた。
―――という話で、言うまでもこの「見たこともない生物」がキーワードになってくるわけですが、序盤が謎解き、中盤が問題発生、終盤が問題解決、の順で語られます。 この「見たこともない生物」、言葉をしゃべるのですが、人間とはかけ離れた存在なので、言葉が通じても概念が通じていないことがよくあり、この生物とのコミュニケーションに非常に苦心する姿がとてもよかった。言葉はしゃべれても概念がわからない、そういう異質な感じをうまく出せていたと思います。
そしてその生物への対応に右往左往する主人公2組のキャラ立ちも非常に良かったし、話の進め方もつまらない場面が全くないので目が離しづらい。これは久しぶりの良作でした。
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