テレビでお金の歴史というものをやっていた。もともと賭博のチップのようなものから始まったものらしい。この何とでも交換できる便利なものが流行し始めたのを発見した幕府は、自分でお金を作ったが、こんどはニセ金が横行し始め、あっという間にお金の信用は失われた。 それをよみがえらせたのが豊臣秀吉らしい、というとてもおもしろい話だったが、その歴史に関連して、「淀屋」という、おそらく大阪で一番有名な橋を立てた一族のエピソードも紹介された。
これが何とも数奇な話だった。 大富豪として栄えた淀屋一族だったが、たかが「商人」のもつお金の力の大きさを恐れ、幕府にすべての財産を没収され、没落してしまう。 ところが、この店の番頭をやっていた男が「淀屋清兵衛」を名乗り、昔のような大もうけではないものの堅実な商いで着実に財力を伸ばす。ところが、その5代目淀屋清兵衛は突然順調だった店を閉めてしまう。 そして、すべての財産をどこに投じたか、それは長州・薩摩藩。その財力を軍資金とした維新志士たちは400年続いた幕府を見事倒し、淀屋は150年前の先祖の主人を没落させた幕府に対する復讐を遂げたのである。 何とも興味深いエピソードである。もう少し深く掘り下げ、あやふやな部分に脚色を加えれば、おもしろい小説になるのではないだろうか。
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