言の葉孝

2006年10月30日(月) 非ライトノベル推進期間


 期間、といっても厳密に一週間とか一ヶ月とか定めているわけではないのだが、ここのところライトノベルではない小説を進んで読むようにしている。
 特にライトノベルが嫌いになったわけではなく、地元の図書館が僕の休みに合わせたように水曜日定休だし、大学近くの市立図書館はライトノベルの品揃えが中途半端なので、この機会にライトノベル以外の本を読んでみよう、というつもりになったのだ。


【さらば、荒野(北方謙三/角川文庫)】

 評価:C(いまいち)

 手始めは以前mixi日記で触れたとおり、北方謙三から行くことにした。角川文庫から出ている本で学校の図書館にあるものでは一番古い本、ということで『さらば、荒野』を選んだ。素直に評判の“北方三国志”に行かないのはひねくれた俺の根性ゆえである。

 感想としては「何か下手な感じがする」である。
 プロデビューして間もないころの作品だからか、状況描写を省いている部分が多く、その場面について「どうして、そこでこうしているのか」などがよくわからないことが多かった。細かいことを気にしないようにしなければ読み進められない。
 まともにハードボイルドと名乗っている作品を読むのはこれが最初なので、これが普通なのかよくわからないが、とにかく人がよく死ぬ小説だった。人が死ぬのはいいのだが、あんまりにも意味がなくあっさりと死ぬので、何かもったいないと思ったものである。

 今調べたら、ブラッディ・ドールというシリーズの第一作らしい。今現在読んでいる『過去・リメンバー』は今のところ前述のわかりにくさは現れておらず、非常に楽しんで読んでいる最中なので、また機会があればシリーズの続きを探してみたい。


【ウは宇宙船のウ(レイ・ブラッドベリ/東京創元社)】

 評価:C(いまいち)

 俺の大好きな推理漫画家・加藤元浩が完結させている作品『ロケットマン』の最初の事件で題名が出てきた本である。漫画では『RはロケットのR(原題:R IS FOR ROCKET)』というタイトルで紹介されていたが、実際は『ウは宇宙船のウ』という時代を感じさせる邦題だ。
 はじめは、一人の青年が宇宙飛行士を目指す、あるいは、最初のロケット開発に携わるなどで宇宙に行きたいという夢をひたむきに追いかけるSFより現代小説に近い長編小説なのかと思っていたが、読んでみるとSFの短編集だった。

 題名に現れている通り(というか、ブラッドベリ自体がSF詩人らしいのだが)、あまり宇宙船の詳細は描かれず、違う星での生活や、宇宙飛行士の家族の心情などのほうに焦点を当てている。
 各短編の設定はなかなか面白く、「意思を持った星」や「太陽が近すぎて人々の寿命が8日間しかない星」など、作者の想像力がよく現れた話が多い。今では『バック・トゥ・ザ・ヒューチャー』などで有名になったタイムパラドックスの論理とカオス理論を彷彿とさせる話も出てくる。

 しかし悲しいかな、実際古い作品だから仕方ないのだが、言い回しが不自然なところが多かったし、文章的に「明らかになんだかおかしいけど、とりあえず直訳しておくか」という雰囲気を持つ箇所が随所に現れている。この辺が訳本の難しいところだ。





web拍手レス(ライトノベル、といっても普通の人には通じないんだよなぁ)

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