言の葉孝

2005年08月13日(土) 小野田少尉のドラマを見た日

 こんばんは、昨日は出版会の飲み会で徹夜カラオケだった想 詩拓です。普通の人達は昼間に二時間、とかが普通なのでしょうか? 少なくとも僕の中は11時にカラオケ屋に入って朝まで歌うという方式しかやったことがありません。
 どうも、歌い方が悪いのか、選曲がシロウトにはきついのか、喉が出来た状態で、途中から声がかれることなく歌える曲は七時間の中の3、4曲くらいしかありませんで。
 しかし、後半に入って爆風スランプの『旅人よ』とか歌ってみたんですけど、あれはとても気持ちよく歌えましたね。いい曲です。この応援歌に関わらず猿岩石はアッサリTVから姿を消してしまったようですが。


 ところで、今夜は『実録・小野田少尉 遅すぎた帰還』を見ました。

 一つ似たような話で、岩窟王・横田庄一元伍長がいます。しかし、彼の場合本当に全く終戦を知らされていなかったようですが小野田少尉の場合は何度も終戦の知らせを受けており、さらにラジオなどで日本の情勢などを知ることが出来た、という状況がこのドラマを呼びました。
 終戦の知らせは小野田少尉らをおびき出すための罠だと考え、そしてラジオでの日本の戦後の様子についてはウィキペディアによると、戦後の日本はアメリカの傀儡政権であり、満州に亡命政権があるのではないか、と考えたといいます。

 それに関して、部下の小塚氏と言い争いや、探しにきた鈴木氏との会話で「『もう少し頑張れ』って声が聞こえるんだよ」「必ず友軍は来る」「自分は軍人だ。軍人は上官の命令がなければ動けない」(という感じの発言)などの発言がありますが、僕の推論によると最後の一つが一番妥当だと思います。
 小野田氏はおそらく“負けず嫌い”というか、そういう意固地な部分、良くいえば誠実で一途な部分が少なからずあったと思います。戦争に勝ちたい、という意味ではなく個人的に自分が置かれている状況に負けたくない、ということです。
 もし、捜索隊などの誘いに乗って、ジャングルから出ていったら、どう思うでしょう? 誰もそういわなくても自分であの生活に負けてしまった、任務に背を向けたと思うでしょう。
 しかし、それを終わらせないわけにはいきません。だから小野田少尉にはその状況への勝利条件、ジャングルから出る強力な理由が要りました。それが小野田氏をルバング島に縛り付けていたのは軍の任務、それが何らかの形で終結させることなのだ、と僕は思っています。

 ドラマの中でいくつか疑問が湧きました。その中の一つは、「何故、終戦後なのに小野田少尉達は誰かと銃撃戦を繰り広げていたのか?」ということです。
 ウィキペディアによりますと、あれは地元の警察だったようです。小野田氏達にとっては自分達が生きるために必要なものの“軍事徴収”だということですが、地元の人々にとっては彼等はただの強盗であり、山賊だったのですから、地元の警察が討伐作戦に出ていてもおかしくありません。

 もう一つは「鈴木紀夫とは一体何者なのか?」というものです。彼は当時はただの民間人であったようで、番組ホームページの堺 雅人さんのインタビューによると、彼はこの探索行を『大放浪』という本に纏めて書いているが、それによると、彼の小野田少尉を探す旅はかなり危なっかしい、無計画なものだったようです。
 硬質な軍人気質をもった小野田少尉とは対照的に高度成長期を謳歌する軟質な現実逃亡型の精神をもっていたようですね。
 小野田少尉帰還後は冒険家となりましたが、ヒマラヤにて雪男の探索行中に遭難し、亡くなってしまったそうです。
 

 このドラマ自体はよく出来ていて、谷口元少佐が小野田少尉に作戦行動の中止を命令し、小野田少尉の戦争が終わった場面などはなかなか見物でした。
 ただ、実際はどうなのでしょうか?
 ドラマの中の小野田少尉はいかにも軍人然として凛々しい印象があり、帰還後も複雑な心境がよく顔に現れていたのですが、エンドロールの実際の写真を見てみると、嬉しそうに笑っていたりして、わりとドラマの中の人物像と差があるように思えました。
 また、ドラマの中では取り上げられていませんでしたが、小野田少尉は日本に帰る際、「天皇陛下万歳」と叫んだ一幕もあり、「軍国主義の亡霊」などと批判された部分もあったようですが、僕の持論は上記の通り、軍国主義ではなく、ただひたすらに自分の状況に負けたくなかったのだろうと思います。

 これは戦後60周年記念ドラマという形で放送されましたが、僕はこの話をもって、戦争の是非を争うのは止めた方がいいと思います。このドラマは一人の男性の希有な30年間を描く、ただのノンフィクションドラマであり、ここから反戦の教訓を学ぶことはできないと思うからです。




web拍手レス(カラオケに行く前にのどアメを買っていって正解だったな)

>「妹君は災難で御座いましたね……これに比べたら私の不幸なんて! ってことで今日も元気にがんばります。」

 ええ、パソコンは残念でしたが、自身のほうは無事なのです。しばらく更新は無理そうですが、その間にまた沢山面白い話を考えだして下さいね!


>「こんにちは、○○と申します。」

 うおお!? こ、こちらでは初めまして。待望のファーストコンタクトですね(笑)。実はファーストではないのですよ。名乗っていませんでしたが、そちらの6月24日の日記に関して、「ハニワ小説」発言をしたのは実は自分でして(笑)。

>「――判ります! 爆発!(笑) 「いま私に何が乗り移っている?」とおもうくらい早くかけますよね!」

 ですよね! 爆発ですよね!
 いつもだったらすぐ手が止まるところが、爆発時だと手を止めたくなくて食事の時間さえももどかしく感じてしまいます。なんかまるで子供の頃、ロールプレイングゲームの続きが気になって、一日中ゲーム機にかじりついていた感じに似ていますね。

>「……では、そこにいたるまでの長い道のりを歩いてきます。。」

 日記やサイトを見るに精力的に執筆されているようで。こちらも時間が空けば、また拝読させていただきたいと思います。

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