言の葉孝

2005年05月29日(日) 『ガンズ・ハート』シリーズ感想の日

 午後三時。図書館から帰宅した、僕は冷凍庫を覗き込みました。

 ……よし、まだ抹茶アイスが二本残っている。

 しかし流石に一日二本は食い過ぎだろう、ということで僕は風呂上がりにその抹茶アイスを取っておくことにしました。一番風呂は大抵僕なので、まあ、他に喰われることはなかろうと、おやつは冷蔵庫に一切れ残っていた長崎カステラをチョイスしました。
 いや、カステラ旨いですな、粗目が底に敷かれていて結構いいやつらしかったです。。西洋の甘味の中ではこれが一番好きです。和菓子だと……そうですね、桜餅か安倍川餅。とにかくあんこ抜きの餅類、団子もアリ。
 しかしその先に待っていたのは思わぬ誤算。夕食後、僕がエリーたん(英国系ゴールデンレトリバー/♀/2さい/すんげー可愛い/世界一めんこい)と戯れていますと、

父:デザートでも食べよかな。
母:あ、私にも取ってー。

 父+母=二人 よって アイスの必要本数=二本=アイス残高

 抹茶アイス終了ーー!

 しくったー! まさかデザートで、しかも二人いっぺんに喰われるとはー!





web拍手レス

>はじめまして(ではないですね。一度BBSに来て頂いたことがあります)め族一員の三紀藍生と申します。

 ……少し待って下さい今落ち着きますんで(深呼吸)。
 あまりにも意外なお客様だったので、いろいろビックリしました。良く憶えてましたねカキコしたのだって半年以上前ですよ。

>「め」の使用方法、あってます! でも、正しいめ族は、書いた後に「めだった」とは言いません。書く前に、「今日は面接について書こうと思ったけど、め」と一文書いて終わるのです!(笑) 長文書いた後なら、「私(俺)、めなのによくがんばった!」と、自分を褒めてあげる。これぞ、真のめ族!(いらねーよ)

 それが真のめ族……ッ!(背後ベタフラ)
 なるほど、目からウロコが落ちる思いです(←落としていいのか……?)。“め”を使いこなすには僕にはまだまだ心構えが足らなかったのですね。

>(そもそもめ族はそんなに頻繁に日記書かないのさとか思いながら)長い連続投稿失礼致しました。(ぺこり)

 僕も真のめ族足りうるように、日々精進したいと思います!(←もうそこで間違ってるから。……ああ、もういちいちツッコむの

 連続投稿とか歓迎なんでまたどうぞー。




 以下、最近ハマって読んでいた『ガンズ・ハート』シリーズの感想です。

警告:この感想は『ガンズ・ハート』シリーズ(電撃文庫/著:鷹見 一幸/イラスト:青色 古都)のネタバレを多分に含みます。むしろ著作権に触れるんじゃないかってくらいいろいろ書いています。そのため、同作を未読の方が読むのは非常にお勧め出来ませんのでご了承下さい。

 カナダに行く前に、これの1巻だけ読んだんですよ。そこまでしか出てませんでしたからね。ノリノリで読んでただけに「続くんかい!」と心の中でツッコんだ記憶があります。普通、シリーズものでも一巻から続き物ってあまりないですよね。
 で、一年経って戻ってみるともう5巻まで揃ってるじゃないですか、一冊一冊結構な厚さだというのに。そのスピードを維持する秘訣を教えて下さい。

 この小説は、とにかく設定とストーリーの関係が非常に濃厚でした。『知の教団』という知識と技術を独占し、大陸の先導権を握るエリート団体と、その支配下に存在する二つの国家のうちの一つ西域国。
 その西域国内にも上級士族(セック)、下級士族(デミセック)という確固たる身分制度が敷かれ、上級士族のほとんどは下級士族、もしくは平民を虐げているという状態から物語は始まります。
 「下級士族はどれだけ頑張っても上級士族のようには出世出来ない」「下級士族は上級士族には逆らえない」「『知の教団』が目を光らせているため、新しい技術が中々開発出来ない」「『知の教団』が定めた禁忌は絶対に破ってはいけない」
 このようなしがらみを主人公達が胸のすくような活躍で破っていくのがこの『ガンズ・ハート』の物語です。 

 1、2巻はエズオル(神聖視されている霊長類の猛獣)のスタンピード編です。
 主人公のケリン・ミルダモンは下級士族の不良少年、といっても、乱暴者なだけで犯罪は犯していないという「良い馬鹿タイプ」。相棒としてD.Dという「秀才くずれの天才少年」がいるのですが、
 とあるちょっとした事件から、上級士族の驕りと保身の心からに下級士族が反発して発生した警護隊(ガーディアン)反乱は読んでいて非常に気持ち良かったです。「権力をちらつかせる上司に、保身を捨てて反抗する」というのは確立されているロマンですしね。
 事件の事後処理の過程で、いきなり百人隊長を任ぜられてしまいます。本来、下級士族としては有り得ない事なのですが、上級士族の中にも上級士族が己の流れる血だけを頼みに下級士族を虐げている現状を憂う好漢がいたからです。

 しかし、ただで百人隊長になれるかといえば、そうではなかった。その部隊は荒くれ者達の集まりで、誰にも御し切れなかった「暴れ馬」のような部隊だったのです。
 この「暴れ馬」部隊を乗りこなすのが二つ目のエピソード。副官に当たる五十人隊長がケリンの父親を尊敬しており、ほとんど七光りのような形で味方になってしまったのは、あんまり主人公の手腕による結果じゃないので好きな展開とは言えないのですが、料理面や財政面での建て直しを図る事によって、部隊を建て直していく様子も読んでいて気持ちのいいものです。「不良達を御して、いいチームを作る」というのも、またロマン。

 「暴れ馬」部隊手なずけエピソードの後半から同時進行で進むのが、メインイベント“エズオルのスタンピード”です。
 ここにいくつかの『知の教団』が設定したしがらみが発生します。数千、数万、数十万というおびただしい数のエズオルを相手をするのには強力な兵器が必要なのですが、『知の教団』は強力な武器を持つ事は戦争に繋がるとして、「武器革新の禁止」というルールを作っています。また、エズオルは神聖な生物として「何事にもエズオルと闘うべからず」という禁忌を作っているのです。
 特に後者の禁忌の為に、中々国も動けず、いろいろ揉めるわけですが、そんな間にもスタンピードは本格化し、ケリン達の守る街・グレンダランを取り囲んで孤立させてしまうのです、そしてケリン達の部隊はたった100人で街を護るために闘います。このへんの事件の進み具合は旨く描かれていて、その切迫具合が非常によく伝わってきました。
 また、スタンピードの為に役職を放り出して逃げてしまった上級士族の役人達など、追い詰められた時の人間の意地汚さ、というのがとても表れています。
 この小説は悪玉の描き方がかなり極端なところもあり、それを単純な二元性と受け取って嫌う人もいるようですが、「無能」タイプや「独尊」タイプ、「腹黒」タイプなど悪玉にも結構種類があるので、僕はかなり好きです。
 「勧善懲悪」「因果応報」という最もオーソドックスなロマンですね。

 ここで先に述べた禁忌の内、前者について悩む人がいます。ヒロイン・ミントです。父親から受け継いだ、禁忌に触れる連発銃をケリンに渡すべきかどうか、ですね。
 結局、ミントは惚れてしまったケリンの為に連発銃を渡し、100丁もの連発銃を一人で量産する事になるのですが、このへんから一気に街の志気が上がってきます。闘わない人達もいろいろ補佐に回り、本当に一丸となってエズオル達と闘うのです。
 「途方もなく大きな災害に立ち向かう」「大勢の人達が心を一つにする」というロマンです。

 このように、人を本能的に惹き付ける“ロマン”がたくさん折り込まれているのが、このシリーズ、というかスタンピード編の最大の魅力だったのではないかと思います。こうしてまとめてみて、魅力的な物語を書くための重要な要素を学んだ気がしますね。

 ただ、クライマックスで盛り上がりがかなり欠けていたこと、援軍が着いてからのエピソードがほとんどないことがとてもとても残念です。きっとどうやって終わらせようか悩んでいたんだと思います。援軍が着いても、そうそう簡単に大多数のエズオルを倒せるわけがないし、エピローグを書きたいのに、先が長いのでつい飛ばしてしまったのではないかと。


 なんか予想以上にあらすじを書いて文章量が増えてしまいました(苦笑)。あらすじをつらつら書くのは読書感想文ではやってはいかんことなのになぁ……。
 シリーズは4巻まで読んだのですが、これ以上一気にまとめるのは“め”なのでまたの機会に回します。(←これだけ書いといていまさら“め”もあるか/汗)

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