2005年05月06日(金) |
「沈黙の艦隊」についてアツく語る日 |
ただ今『沈黙の艦隊』(モーニングKC・かわぐちかいじ作)という漫画を読み進めています。 この作品は、世界とアメリカの関係、日本と世界、アメリカとの関係、そして安保問題に言及した作品であり、かわぐちかいじ氏の緻密でリアルな空想が繰り広げられている作品です。僕はどうにも勉強不足で、このような政治の世界を描くことは出来ないのですが、作品には氏の政治の世界に関する理解の深さが現れています。 これは、割と古い漫画で、父親が集めていたのを過去2度読み通したことがあるのですが、その際は「原潜一艦で奇策をもってたくさんの敵をなぎ倒して行く痛快な漫画」だという認識しかなかったのですが、今呼んでみると、昔は分からなかった「やまと」を巡る政治の部分、昔も楽しんでいた各戦闘の意味についても理解できるようになっており、非常に面白く読み進めております。これは、性的な表現を全く含まないアダルトコミックですね。
よく純文学で婉曲な比喩表現にあふれているおかげで難解だと言われる文章はあるのですが、僕はそんな難解さなんぞ×××××(←お好きな汚い罵り言葉をお入れ下さい)だと思っております。自力では何を伝えることも出来ない文学作品に価値はありません。 ただ、この『沈黙の艦隊』のように、知識量を求める難しさはむしろ歓迎します。こういった難しさを持つ、こんなトム・クランシーの作品のような漫画は世界でも日本だけにしか存在しないでしょうね。 ただいまかわぐちかいじ氏は『ジパング』という作品を連載中でありますが、こちらも非常に面白い作品になっております。
この人はカリスマ性のある人を書くのが非常に上手いです。僕に言わせれば、カリスマをもっている人物とは、「言葉の魔術師」なんです。必要な機会に、必要な態度で、力強く、説得力のある言葉を用いることができる能力、それがカリスマの正体だと思います。 『沈黙の艦隊』のカリスマ担当、海江田四郎氏、『ジパング』のカリスマ担当、草加拓海氏の両氏は行く先々で、敵味方問わず、その言葉と、行動によって術中に陥れています。 これは作家としては強力な武器です。一人カリスマが描けるだけで、物語の分厚さが何倍にもなるからです。
しかし。 食傷気味なツッコミで申し訳ないが、お約束なので突っ込ませて頂きます。海江田四郎艦長。一郎から三郎までのお兄さんはどこですか?
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