なか杉こうの日記
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| 2006年03月11日(土) |
ファンタジー+伝説「チャングムの誓い」 |
きのうも「チャングムの誓い」をテレビで見た。あんな面白いドラマを知らない。面白いだけでなく素晴らしい! あれはロマンである。ファンタジーである。伝説である。そうだな、イギリスのたとえばアーサー王の剣の伝説とか、なんといいましたっけ、聖杯を追い求める騎士の話とか、あのような類である。
どこがよいか。その一。早いストーリー展開。無駄な場面が一切ない。面白いところばかりが矢継ぎ早にでてきて、一時間の間息をもつけない面白さ。(こんな言葉あるかな)
その二。キャラクターの豊かさ。配役が皆みごとにぴったりしていて、主人公のチャングム以上に素敵だ。最高尚官(チェゴサングン)はもうすぐ腎臓の病でなくなる想定だが、その潔癖さ。権力に負けない信念。年取った女性をあのように描ける韓国のドラマというのはすごい。
やさしいチャングムの先生、ハン尚官。男性で穏やかな長官。カンドック夫妻。
その三。脚本の台詞の妙。どうしてあのような心ゆさぶる台詞を書けるのか信じられない。
その四。翻訳の妙。たとえば臣下は中宗皇帝をみな「王さま」と呼ぶ。「王」ではなく。「王さま」という響きで、見ている私達は伝説の世界に引っ張られる。
その五。舞台背景の美しさ。たとえば第一回で「廃妃」が毒殺される場面は、小鳥が鳴く、のんびりとした農家(?)の中庭が場面だ。日がさんさんと射すなかで、「廃妃」ユン妃は威厳を持って元臣下に抵抗する。こうした残酷な場面でも嫌な気がしない。たとえばヘンゼルとグレーテルの話を子どものとき、べつに残酷とも思わず読んでいたのと同じ感じがする。
まだ見たことがない方、たとえば、「もしかして朝鮮王朝の話なんて残酷場面があるかも」とか、「あの奇妙な髪型はちょっと・・・」とか、「女官の世界なんて、嫉妬やねたみや大奥みたいなんでしょ」と思って抵抗がある方、ぜひ見てください!すばらしい、ファンタジーの世界です、これは。金曜夜11時からNHKです。来週は残念ながらお休みみたい。ちなみにわたしはDVD全巻を買ってしまった・・・。
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