なか杉こうの日記
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2005年12月17日(土) あおい、ツリー

駅前広場の隅にコンビニがあって
その前に青い光をはてしなく散らしたツリーがある。
とおくから見ても
ちかくに行っても
星の世界のようだ
ぎらぎら、ぎらぎら
あおい光が渦巻いている
ここで人を待ったらどんなだろう、と
思う
「ねえ、いいこと
あおいツリーの下で」という言葉を胸に
青年は
いくとしも
いくとしも
待った・・・
あおい、ツリーとはなにか
どこを探しても
あおい
星のツリーは
なかった。
ある夜
ある町に降りたときに
出張でこの町に来ていた青年は
ぼあっと暗闇に浮かび上がる
ツリーを見たのだった
それは、あおいツリーで
全体からあおい光が
湯気のように立ち昇っていて
それは天を指し
天の星と混じり合っていた
あおいツリーと
彼はひとり言を言い
近づいた
あおいツリーのそばに
残念ながら
赤茶けたたばこの灰を捨てる缶が
つったっていて
そこから
灰色の煙がひと筋
立ち昇っていた。
ここで、待たねば
と青年は思った
約束の、ツリーだ・・・

という話が浮かびました。


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