明治18年、瀬戸内巽は国事犯として北海道の樺戸集治監に収監された。同房の山本大二郎は夢のような法螺ばかり吹くが、外役では巽と鎖で繋がれた連れだった。硫黄採掘の苦役で目を悪くした大二郎は火事とともに姿を消して、巽は何も知らなかったことを悔いるが自身は恩赦もあって12年で仮釈放された…。看守の中田が訪ねてきて、大二郎探しに同行させられる。最後の章で大二郎の罪の真相が明かされるけれど・・・。