読書記録

2024年04月12日(金) わたしの良い子 / 寺地 はるな

 

 大人が言う「良い子」って、何? 
出奔した妹の子ども・朔と暮らすことになった椿。
勉強が苦手で内にこもりがちな、決して〈育てやすく〉はない朔との生活の中で、椿は無意識に朔を他の子どもと比べていることに気づく。



朝の白い光の中で、朔の頬の産毛が光っていた。良い子、という言葉を使うことに、ずっとためらいを感じていた。わたしたち大人にとっての(扱いやすくて)良い子でいなさい、という脅迫みたいになってしまうことがこわかった。でも今はためらいなく言える。
「他の子みたいに」できなくたっていい。なんの条件も満たす必要はない。
朔はそのままで、生きているだけで、じゅうぶんすぎるぐらい良い子だ。
















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