読書記録

2024年01月18日(木) 風の港 / 村山 早紀


 人生はいつも旅の途中
世界に続く扉のあるところ、空港に降り立ち、飛び立つまでのひととき、旅人たちの人生の交錯を綴った物語


空港は素敵な場所で、誰もがずっといたくなる。けれどここを訪れるのは、誰もが旅の途中、人生の途中なんです。永遠にいられる場所ではない。

人間どんなに実力があっても、良い風に恵まれなくて、にっちもさっちもいかなくなるときがある。そんなときは風を待っていてもいいんですよ、きっと。静かに、諦めずに。良い風が吹くその日まで。

おとなになるとーーいまの生活が大切なのとは別の想いで、旅から旅の生活に憧れる心もある。どこかに根付かず、大切なものを持たず、そう、トランクひとつだけ提げて、風の吹くまま気の向くままに、ひとりでどこかへ行けたらと、思うことはあるものだ。

混沌とした頭で、生きている間は、生きようと思った。体が勝手に生きるのだから。











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