シリアで生まれた少女は、アメリカでダニエルと綾子夫婦の養子となり、アイと名づけられる。両親の深い愛に包まれながらも、その環境をただ恵まれたものとして受け入れることができず、アイは孤立感を深めていく。その後、日本へ移住したアイは、高校の入学式の翌日、数学教師の「この世界にアイは存在しません。」という言葉に、強い衝撃を受けアイの胸に居座り続ける。アテネというあだ名の教師が話したのはi × i = −1 という虚数・実数ではないという複素数の話2017年本屋大賞ノミネートされた物語