読書記録

2023年09月01日(金) 母という病 / 岡田 尊司


 母という病は、単に親子関係の問題ではない。
それが重要なのは、母親との関係がしっくりいかないということが、決して、母親との関係だけに留まらず、人生全体を左右する問題だからだ。


 一般的な話になるが、母親は自分が幸せだったときの子どもには、愛情を感じやすい。
逆に、自分が不幸せで、つらいときにできた子どもには、愛情を感じにくい。
子どもの父親への愛情も、子どもへの愛情に移し出される。関係が不安定になってからできた子どもに、母親も愛情をもちにくい。

 それは一時的なことに思われるかもしれないが、そうではない。母親と子どもの絆が安定したものかどうかは、幼いうちのかかわりによってほぼ決まってしまうからだ。後では取り戻しようがないくらい大きな影響を及ぼす。

 母親との絆は、いつでも育まれるわけではない。生まれてから一歳半までの限られた時間しか、安定した絆は形成されないのだ。




母親との関係が大切なことはよく分かったが、子どもは母親だけのものではない。
母親の安定した精神力は夫というパートナーとの関係が大きな影響を与えるとおもう。
望まぬ妊娠やワンオペ、さらには経済的不安な状況であれば子どもに十分な愛情を注げない。
もっとそのへんを深堀りしてほしかった。

現代人は大なり小なり、ほとんどの人が母という病にかかっていると思うのが。











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