読書記録

2023年07月27日(木) ブラックボックス / 砂川 文次


 ブラックボックスとは、利用者が内部構造や動作原理を知らなくても支障がない設計の装置やソフトウェア、システムなどのこと。また、対象の内部構造などが分からないことを前提として、入力と出力のみに着目する考え方。

                    IT 用語辞典 より


第166回芥川賞受賞作。

ずっと遠くに行きたかった。
今も行きたいと思っている。

自分の中の怒りの暴発を、なぜ止められないのだろう。
自衛隊を辞め、いまは自転車メッセンジャーの仕事に就いているサクマは、都内を今日もひた走る。

昼間走る街並みやそこかしこにあるであろう倉庫やオフィス、夜の生活の営み、どれもこれもが明け透けに見えているようで見えない。張りぼての向こう側に広がっているかもしれない実相に触れることはできない。(本書より)


沸いてくる自分の怒りを抑えることが出来ず、脱税するとかの意志もないまま突然訪ねてきた税務署員に酷い暴行をしてしまって、刑務所に入った。
















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