2017年04月01日(土) |
九十歳。何がめでたい/佐藤 愛子 |
著者が88歳になった時、今まで何十年も頑張ってきたのだから、これからはゆっくり老後を過ごせばいいと言われたのだが、いざゆっくりとした何もしない生活に入ってみれば気力も起きず、老人性ウツ病みたくなってしまった。 そんな時に 「女性セブン」からエッセイ連載の話がきた。 毎週はしんどくても隔週ならということで始めたものを、約1年2か月分くらいを まとめたもの。
内容はボヤキ漫才のような、長年生きてきていまの若いもんは、昔は良かった的な愚痴めいたものが多いけれど、何気に共感できる内容だった。
ああ、長生きするということは、全く面倒くさいことだ。耳だけじゃない。眼も悪い。始終、涙が滲み出て目尻目頭のジクジクが止まらない。膝からは時々力が抜けてよろめく。脳ミソも減ってきた。そのうち歯も抜けるだろう。なのに私はまだ生きている。 「まったく、しつこいねェ」 思わず呟くが、これは誰にいっているのか、自分にか? 神さまにか ? わからない。
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