2017年01月10日(火) |
LONESOME隼人 獄中からの手紙/郷 隼人 |
著者は鹿児島県出身、若くして渡米したが1985年、殺人および殺人未遂の2件の罪で有罪の宣告を受け収監された終身服役囚。 現在はソルダッド・プリズンに在監中。
無期囚としてカリフォルニアで収監されて28年余り。人生の大半を米国の獄に繋がれた歌人が、刑務所内の生々しい生活、父母への思慕、故郷への憧憬を、短歌を交えて綴る。
1冊目の 『 LONESOME 隼人 』は手元に持っている。 朝日歌壇でこの人の短歌を初めて見たときに、何か突き動かされるものがあってネットで即 購入した。 それからも折に触れて この人のことを思わずにはいられない。 望郷の念、母への思い、無期懲役の身で後悔とか無念とかどうして心の均衡を保っていくのだろうかと。
囚われて母の死に目に会えもせで 歌詠むなどと我は愚か者 十年の歳月を経て初めての 母の便りに胸がつまりぬ 短歌という形のポエムがありてこそ 両親の死も乗り越えられし 「母さんへ」と最後の手紙読むこともなく 母は天国に召されてゆきぬ 鹿児島は今頃きっと梅雨ならむ あの鬱陶しさがいまは恋しき さみしきはもう書くことのできぬこと 母を偲びぬ獄窓の秋 我を待ち八十四年の人生に 三十六年待ち逝きましぬ母
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