2016年11月29日(火) |
生き上手死に上手 遠藤 周作 |
タイトルで選んだ。 命には別状ない病で、毎日死にたいと思っている。 尊厳死ではなくて 安楽死を望んでいる。
今からでも生き上手に生きられるだろうか、そしてそれは死に上手に繋がってくれるだろうか。
死にべたと山や思わん夕時雨 一茶 いざさらば死にげいこせん花の雨 死に支度いたせいたせと桜かな またことし死に損じけり秋の暮れ
息を引きとる寸前、この地上から永遠に別れる瞬間、彼は病室の破れ障子から星々のきらめく空をみる、 そして 美しや障子の穴の天の川、とつぶやく。 この心境になれること、なれたことが「死に上手」と言うのであろう。 もちろん、この「死に上手」になるためには死に支度があり、死に稽古がなくてはならない。 だから「いざさらば死にげいこせん花の雨」という自分を励ます句も書きつけたにちがいないのだ。
そして しら梅に明くる夜ばかりとなりにけり 蕪村
時々聞く死期が自分で分かるというのはこういう心境なのだろうか。
どうも「病は気から」という言葉は今まで考えていたように「心の持ちよう」と病気との関係ではなく、 人間の体内の気が円滑に流れない時に病気になることを指しているのだとわかってきた。
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