2003年05月06日(火) |
虚構の家 曽野 綾子 |
ホテルの社長である日和崎の中2の息子は過度の潔癖症、小6の娘は虚弱体質。
私大の教授の呉の息子は東大を目指す都立高3年生。 睡眠薬がなければ眠れない母を女中代わりにこき使う。 東大を目指す兄を中心に家がまわっているので、高校生の妹は年上の男性と交際をしている。
日和崎の息子は登校拒否を経て自殺する。
サイダーが無いと勉強できないという息子のために、睡眠薬の飲みすぎでフラフラの状態でサイダーを買いに出かけて交通事故で死亡する母。 娘は家をでて出産する。
虚構の家は、現実にあり得ないうその家ではなくて、現実の家だったのです。それは私の家であり、あのたの家でした。私の家、あなたの家は「今のところはまだ崩壊はしていない」が、「明日は崩壊するかも知れない、あるいはしないかも知れない」不安定な存在です。正常と異常は一本の連続した糸なのです。
我が家にも 親の問いかけに何も話さない娘がいる。 私は我が家を虚構の家とは思わないが、危うい・・とは思う。
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