うさぎのつぶやき
*日記内の全ての文章、画像等については著作権放棄しておりません。
無断転載は固くお断りいたします。
Diary index|past|will
物忘れが最近目立つようになりました。
仕事に行くようになり覚えることが多いので、まるで全神経を そちらの方に注いでいるかのようです。 記憶する機能が仕事以外を拒否しているかのようでもあります。
先日の日曜日のこと
実は娘が怪我をして入院していました。アキレス腱の断裂でした。 無事に手術も終わり、ギプスを巻いてもらっていよいよ月曜日に 退院という運びになったのです。
なので退院の際の支払い金を引き出しておかなければなりません でした。 そのことは忘れることなくちゃんと覚えていましたが、とにかく 忙しくて郵便局にも銀行にも行く時間がないまま日曜日になって しまったのです。
日曜日は少し早く仕事に出ましたので18:30に上がることができ 19:00に帰宅しました。近くに郵便局の本局があるのでそちらに 行けば休日でもATMが使えると思い、バッグだけ持ってもう一度 自転車を走らせたのですが生憎19:00までだったようで、閉まって いました。
仕方なく近所にあるコンビニに方向を変えて向かいました。
コンビニでなんとか引き出すことができほっとして自宅に帰った のですが家の前で戸惑ってしまいました。
キーケースがありません。
確かに家を出るときには鍵をかけて出たことは覚えています。 ところがその後の記憶が全くないのです。 バッグのどこに仕舞ったのか、どういう感じで仕舞いこんだのか 記憶が飛んでいます。 急いでいたことは確かです。 でもこれまでなら記憶が飛んでいても習慣になっていることは 無意識のうちにしてしまうので、常に入れているポケットを探って みましたがありません。
思いあぐねてお隣さんのチャイムを押しました。 お隣とは二階のベランダが繋がっていて、家の二階は常に鍵を かけていませんので二階から侵入させてもらうことにしました。
ようやく家の中に入ることができホッとしましたが、落としたのかも しれないと気になってもう一度足跡をたどってみました。 結局鍵は見つからないままだったのです。
明くる月曜日、娘を迎えに行くべく病院へ向かいました。 もちろんスペアキーは何本か用意していますのでそれを持って 出ましたが実は失くしたキーケースは先日の誕生日に娘から プレゼントされた物でした。 あるブランドのものでしたので、娘に早速謝りました。
二人で帰宅してから娘が“警察に届けた?”と聞きますので “いや、届けてない。もしおねえちゃんがキーケースを拾ったら 届ける?” と聞きましたら“うん、キーが付いていたら届けるよ”というので (私は多分届けないと思います、というより拾わないと思います が、やはり届けてくれる人もいるんだということが分かったので) 早速警察へ行きました。
窓口で説明をして用紙を貰い備え付けのテーブルで、記入して いる時のこと、 応対してくださった警察官の方に声を掛けられました。
「奥さん、これお宅のですか?」
そう言って見覚えのある自転車の鍵を見せられました。 キーケースをなくした届けに行って自転車のキーを窓口に忘れて いたのです。
その瞬間私は全く自信を失ってしまいました。
それまであのキーケースは、バッグに入れたつもりがファスナーを ちゃんと閉めていなくて自転車の前かごの中に落としたもので、 それを郵便局かコンビニに止めている間に前かごから誰かが取って いったものと信じて疑わなかったのです。
注意力散漫な自分に思わず赤面してしまいました。
届出の用紙を提出するとそそくさと警察を出た私。 その足でコンビニによることにしました。もしかしたら誰か届けていて くれるかも、と思ったからです。
案の定でした。 レジカウンターで、店長らしき男性がどういう色でどんな形ですか? と聞いてきました。 詳しく説明すると「ちょっと待ってください」そう言って奥のほうから 出してこられたものはまさしく探していたキーケースでした。 「お客さんから届けられたもので、大事なものですから金庫の中に しまっておきました。」とのことでした。
丁重にお礼を言ってコンビニを出ましたが先ほどの自転車の鍵と いい、このキーケースといい見事に私の注意力が欠けていたことの 表れです。
これまでこういう失敗は余りありませんでした。 娘の怪我や緊急入院、手術、そして仕事に追われ疲れていたの かもしれませんが、だんだんこういった動作の柔軟さが失われていく 事が、年を取ると言うことなのかも知れないとつくづく思った出来事 だったのです。
若年性アルツハイマーというほどには若くありませんがもしかしたら 真性アルツハイマーになるのもそう遠い日ではないかもしれません。
|