さかざきが綴る「アンティークな日々」
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今日は一日、新入荷のお手入れ。フランスで買付けた生地のお手入れです。このフラワーバスケット柄の生地、シックなベージュ地が気に入って買付けた物ですが、大きさはあるものの三角に近い不思議な形、何かのカバーだったのかブレードで縁取られ、両面が生地になっていました。
まず、ブレードと縁のミシン目をスリッカーで外し、2枚の生地にします。スリッカーで外したミシンの縫い糸を、生地に糸が残らないように、ガムテープで取り除きます。100年近く前からどこかに飾られていただろうこの生地、見た目には特に汚れていなくとも、スリッカーでミシン目を外していくだけで、100年の埃で、手は埃っぽく、目はショボショボ、ノドはイガイガしてきます。
次に2枚の布を手洗いで優しく洗います。まず、洗剤を溶かした水に生地を入れると...水は、みるみるうちにもぁ〜とまっ茶色に!その時点で「ギョッ!」としますが、きっとタバコの吸われた部屋に永年飾られていたものかもしれません。何度も水を変え、茶色の色が出なくなるまで洗います。洗ってこざっぱりすると、次はネットに入れて洗濯機で脱水。
乾いた生地は、アイロンを掛けてピシッと仕上げます。これでやっと出来上がり、きれいな生地なりました。アンティークの再生とでもいいましょうか、手に入れた古いものをきれいにするのは、自分の手で甦るようで大好きな仕事です。また明日にも、他のアンティークたちが、私のお手入れを待っています。
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