長い昏睡状態から目覚めると、代官山の私の邸宅は同居している母によってビルに建て替えられている。ボーッとした頭でビル内をさ迷う。1階は赤を基調としたポップなインテリアのレンタルビデオ店だ。2階に上がる。シックな個室ジムと広々としたサウナ。インストラクターらしきオードリーの2人とサトミツが、ブーメランパンツ姿で歩き回っている。3人の体はやけに色白で、油性マジックで描いたような青筋がうねっている。気持ちが悪い。3階に上がる。コジャレたカフェになっていて若者で賑わっている。4、5、6階は母と姉達の住居らしい。私の部屋は何処にも無い。保管してあった作品は何処へやってしまったのだ!? まさか勝手に処分してしまったのでは。沸々と怒りがわいてくる。ふと、姉の寝室を覗いてみる。ソファーの上に蠢く寝袋がある。(あぁ...あれは母によって拘束されている父なのだろう)と悟る。
|