終戦間際の大阪、大商人の私はとある戦災孤児院を訪れる。粗末な掘っ立て小屋、小学生が15人ほど暮らしている。私は手土産の菓子類をふるまった。子供の1人に問題児扱いされている男の子がいた。彼には虚言癖があり、仲間から疎まれている。私は彼の澄んだ瞳の奥に素直な心を読み取った。彼を養子にとって、あとを継がせるつもりだ。