++いつか海へ還るまで++

雨が降る 代わりに泣いて いるように

降り続く雨 降り止まぬ雨


2006年07月14日(金) くすりゆび

わたしは今も左手の薬指に指輪をしている。
でもこれはアノヒトとの結婚指輪じゃない。


実は結婚指輪は亡くなった時にアノヒトの指輪と合わせて
わたしが前にプレゼントしたタイガーズアイのブレスレットと一緒に
お棺に入れるつもりだった。

結局 金属モノは入れると中で弾けてしまうとかで
(その辺はっきり覚えていないのだけどそんなような注意があった)
その後 二つの指輪とブレスレットは白いレースのハンカチに包んで
一緒にオルゴールの中に納めなおして持っている。
今はこうして良かったと思ってる。


形見と言えるもので唯一残したのは
誕生日に選んで買ってあげて
良く似合っていた夏物のブルーのチェックのシャツ一枚。
わたしの箪笥の奥に薄紙に包んである。

それ以外のモノは全て整理して処分した。

写真もアチラ関係の人達と写っていたものは
全部破ってゴミに出した。

これも子供達の母親としてはエゴイストかもしれないけれど
後悔はまったくしていない。

必要なものはそれで充分だったから
消せなくても汚(けが)すものは捨て去りたかったし
遺しておきたいものは そっと静かに仕舞っておきたかった。



最近 薬指用に新しい指輪を買った。
ステンレス製でずっとしたままでも大丈夫というのと
あと 
刻まれた言葉。

「Love is always beside us and forever」
(愛はいつも2人のそばにあり永遠である)

本来ペアでするものかもしれないけど
わたしにとっては 亡きひとに向けて・・でも
Kと一緒に・・するのも どこか違う気がした。

だから一人で買って一人ではめている。

それがわたしには一番ふさわしいように思えて。



止まるには早すぎる時だったと今も思う。
たとえお互いに歯車がずれてしまっていても
ならばこそ 生きていて欲しかった。

一方的に途中退場なんて卑怯じゃないか。
遺されたわたしは永久に行き場を失った想いを
今でも抱え込んだままだ。

ずっとずっと怒っていた。
ずっとずっと悔しかった。

それにも増して
やりきれなくて堪らなかった。

深く抉られた傷さえも
懐かしい優しい思い出になっていくのが耐えがたかった。




失くしたのはやっぱりわたしの片翼
もぎ取っていったのはアノヒト。



この薬指の指輪はわたしの憧れ。

誰よりもずっとそれを切望しながら
孤独を生き続けることを決めた 

わたしの。


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                               ゆうなぎ


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