ラヴ*パスポート



葉月アキラ、自由に生きてきた。色んな恋を、した。
やっと腹を括ったその先は、長男の、嫁。
騙したり騙されたりの日々から抜け出したワタシだけれど、果たして頑張れるのか?

結婚5年目に入った2013年12月、不妊治療の末、娘を授かりました。

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2008年03月15日(土)  ©  久し振りに聞いた、声。


教えて貰った番号に掛けたワタシ、折り返し掛かって来た、電話。
久し振りに聞く彼の声は、いつもと変わらず飄々として、居た。

電話を落として大変だった、事
そして其れが原因の一つとなって、彼は今まで勤めていた会社を辞めて、居た。
圭ちゃんから、彼が凹んでいるとは聞いていたけれど
会社を辞めてたか・・・・・想定外の出来、事。

如何してワタシに何も言ってくれないのだ、心配すると思わなかったのか
連絡を取る方法、現状を伝える術は幾らでもあったではないか?
そう言ったワタシ、に彼は、会社を辞めた其の足で、晃邸に来た事
でも、鍵が閉まっていて入れなかった事、インターフォンを何度鳴らしても
ワタシが起きなかった事、等を説明した。

店に電話をする、とか
圭ちゃん、純経由で伝言を伝える、とか
そう言う事は、思いつかなかったらしい。
そして『でも、此の番号は繋がるから。』と
ワタシがまるで前から此の番号を知っていたかのように言い放った彼に
ワタシ、此の番号を知ったの、つい先程なんですがっ?
心の中で、そう突っ込んだ。

彼らしいと言えば、彼らしい。
此れが2月の頭にあった出来事
飲みに行って、其処で上記の事について話し合い
悪かった、と謝った彼
もう心配掛けないと言った、彼。



2月も半ばに入り、此の侭だと何も変わらなくて
しんどいままだとワタシは思って、居た。

ある朝掛かって来た電話で交わしたのは『おはよう。』を交えたたった一言。
もう、ダメだと思った。
しかし、其の後再度電話があり、晃邸に昼から来た彼は、ワタシの出勤時間まで居た。

仕事を辞めてイライラしている事
無職の、こんな状態でワタシに会いたくないと言う、事
彼は、彼なりの気持ちを吐露し、もう少し我慢して欲しい、と、言った。
ワタシは、納得した。其れが理由なら仕方無い、解る気もする、から。

しかし、其の日彼が辞めた会社に復帰する事が決まった。

平穏な日々が帰って来た。
そして、もう少し我慢してくれ、と言った彼は
精神的に落ち着いたのか、ワタシと時間を共にする事が増えた。

しかし同じ週に、事件は起きた。



2月の半ばから末までの毎日、お互いが取れる時間は一緒に過ごした。
夏から考えても、其れは初めての事で
ワタシは死んで仕舞い、そう、だった。

手を繋いで買い物をしたり、出掛けたり、洋服を選んだり、パチンコをしたり
其の1つ1つがとっても嬉しくて、仕方なかった。
彼が買ってくれる飲み物の空容器をイチイチ保管しておきたいと思って仕舞う程
ワタシは、幸せ、だった。

そして、あの日から2週間程経った3月の頭
ワタシ達の生活にまた、変化が、起きた。



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