綿霧岩
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心理の話を聞いたり読んだりしていると、あなたの世界にあるものは全てあなたの投影です、ということが言われている。 それはそうなんだろうなと思って受け止めていたつもりだった。 でも私、ついさっきまで自分のこととしてあまりわかっていなかったことに気付いた。
役を演じるということは、私にとってはその登場人物を自分の体に入れ、彼女らのありのままを愛する行為です。
その人たちは、全く私とは違う人たちだと思い込んでいたけれど、 赤の他人を愛するつもりで、なんでこんな人を自分の中に入れて、こんなにしてまで愛さなきゃならないんだろう、と苦痛に感じることもあったりしたけれど、 違った。
今まで演じたどの台本のどの役も、私を通して読んだその人は全て私だった。
演じることを通して私がやってきたことは、私が私を愛することに他ならなかった。 ということに、さっき、気付いた。
そう思ったら、なんて沢山の私の姿を愛してこれただろう、とうれしく思った。 そんないろいろな姿を私に知らしめてくれた作者の方々に感謝の気持ちが湧いた。 そしてそんないろいろな姿の私を、時には文句を抱きながらも一生懸命愛してきた自分自身の体と魂にも。
ありがとう。
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